北人伝説(著:マイケル・クライトン)【この読書紹介を読む者に伝えたい。私が体験した数奇な物語と、あの途方もなき戦士たちの逸話を】
アラブ人の旅行家が、ヴィーキングの悪鬼退治に付き合わされるという。
中世バトルファンタジー。
書き手はベストセラー作家マイケル・クライトン。
さて。このアラブ人は文系です。
戦士ではないのです。
旅行家、つまり記録する人であり報告するお役人であり、
作家でありジャーナリストです。
当時のアラブ世界は文明の最先端でして、
こういうインテリがむしろ多いのです。
アラブ人。イブン・ファドラン。
たいしてヴィーキングは、脳筋戦士しかいないヨ。
やっぱりね。
ヴィーキングの戦士。ブリウィフ。
脳筋に囲まれていたら、次第にいっぱしの脳筋になっていく。
酒に混じって酒になれ。筋肉の中の筋肉になっていく文系。
いや、なんでも「外国人をひとり連れて行かなければいけない」というご託宣があるのだそうな。
またこのアラブ人は当然ながら民主主義。。じゃなかったイスラム教徒なのですが、
野蛮なるヴィーキングの価値観と風習にカルチャーショック脳震盪を受けつつ、旅路を進んでいく。行かざるを得ないのです。
カリフの命令ですから。なんて命令を出しやがる。
ディスカバー筋肉。
暴力はリアルよりもリアルだぜ。ヒャッハー!
こういう異世界旅行ファンタジーは、一種のテンプレなのですが、
テンプレでは西洋人が東洋とかに行く話。
(ラストサムライとかね)
しかしこいつは、
主観が西洋人以外の民族を持ち出し、
さらに今とは異なる西洋に導くという、
テンプレとは逆パターンになっているという構成です。
ウケましたね。売れたのかどうかは分かりません。
後に13ウォリアーズとして映画化もされた。
映画は売れなかったようだが。未視聴。
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最後は寂しい感じがしたと思うのですが、
ま。こういう旅はしょうがないですね。
旅は終わるのだ。そして旅人は故郷に戻るのだ。
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