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ギャラリーフェイク(著:細野不二彦)【マンガ感想だと!? 本物を見る目がないやつはつまらないマンガでも読んでればいいのさ】

すこし前の美術マンガ。
基本的に一話完結。
ブックオフとかで単品で購入しても大体満足できる。
唐突に買っても、これまでのあらすじがわからない、といったことが無いので、最低品量から存分に楽しめる。
こういうのが意外と少ないのだ。

シリーズが長いともうそれだけで嫌になってしまう。
といって面白いのは必然的に長くなる。ジレンマだ。
一話完結スタイルならこの問題で苦しまない。

主人公は、贋作専門の画廊「ギャラリーフェイク」の店長フジタ。
元は超一流キュレーターだったが、転落して、
今ではブラックマーケットの仕事までしている。
そう、贋作と称して、本物を売る仕事だ。
しかし、超一流キュレーターとしての魂までは腐っていない。
腐れない。知識とこだわりがありすぎる。
そういう気高いダークヒーローを主人公にして、
みんなの解説役に経験値の浅い部下、アラブ大富豪の娘サラを配置しつつ、
ライバル美術館の女館長とか、分かりやすいレギュラー陣を少数配置。

そうして美術や絵、骨とう品、そうしたものを題材として使いながら、
痛快な逆転劇を描く。

なんかこの先生はかなりのベテランですが、
「さすがの猿飛」を描いていたころとは、絵柄が変わっているんだが、
一瞬気がつかなかった。
いや、良い。
絵柄とマッチしているというか。
ベテランがエンタメを描くとやはり痛快!

中途半端な悪党どもを、大人の黒さでわからせてやる!という、
悪をぶちのめす更なる悪、ダークヒーローという悪にしかできない圧倒的な実力で、社会悪に鉄槌をくだす。
なおかつ、いかがわしい正義とかいう言葉を一切使わずに。

それを美術ウンチクマンガと合体させた本作は、やはり面白い。
「ブラックジャック」とか「美味しんぼ」とか「ゴルゴ13」とか、
あれらと、同じ系統だ。

これは圧倒的に「大人」だ。

もっと買っとけばよかった。
これは集めて損はなかった。
まあでも、途中どの巻から読んでも、特に困惑せず、満足できる。
外れ無しの一話完結。
なんとまだ続いているという。
いいな。読もう。
アニメ化もされているみたいだが、書物枠で紹介しました。

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