篠房六郎短編集 子ども生物兵器(空談師ショートバージョン掲載)【読書紹介が嫌いだなんて思ったことありません。ただちょっと耐えられないだけで「それを嫌いというのだ」】
隠れた名作マンガ短編集。
この人のデビュー作ですが(と私は思ってる)
かの「空談師」のショートバージョンが載っています。
こちらこそが本来の「空談師」なのですが。
さてこの人は不遇のマンガ家です。
生粋のストーリーテラーでして、
脚本あらすじは究極な面白さなんですが、
(細かい話の割にはすべてつなげてくる。伏線回収率120%)
しかし絵柄が好まれなかったのか、
いつも作品が打ち切りに。
ファンは「また理解されなかったか」と悔しかったものです。
というわけで、私的には大名作なんですが、
どうにも、スキじゃない人にはスキじゃないのかもしれません。
アマゾンの評価も真っ二つという感じ。
あらすじもちょっと複雑です。
でも私はついていけるし、
しかも話が全部、最後の方でつながってくるし、
私としては、ハンパない感動というほどではないかもしれませんが、
強く印象づけられる作品なのです。
どうして評価されないんだろうな。
多分ね。世界観の情報量が多いんだわ。
小説に近い。
でも読み込めるんだけどな・・・
そして、その圧倒的な情報量の中で、
テーマ性がしっくりと来る。
情報が多いがゆえに、
あ、結局、こーゆー話なんだわ。
っていうのがスゴイスキ。
話も前半は、とある中世のホムンクルスの話。
ギャグマンガのノリかと思ったら、重い話だったし、可哀想というより、怖い話でもあった。意外性が気持ちいー。
後半は空談師ショートバージョン。
とある廃棄されかかったゲーム空間でのプレイヤー同士でのあれこれなんだけど。
ゲーム空間だから、どうせ死ななないし、
みんな軽い廃墟探訪くらいのノリなんでけど、
ひとりだけガチでごっこしている人がいる。
何の話につながるんかな? と読んでいくと、
割とドラマな話につながっていく。
虚構の世界の、嘘んこの話のハズなのに、
提示されているテーマは限りなくリアルで、
それはフィクションの本質そのものだ!
ネットだと洒落にならない話に。
*****
私はいつもここで、
皮膚がなく、
嗅覚がなく、
味覚がなく、
痛覚がありません。
私のような欠陥品がどれだけの感覚を持っていれば、
どれだけの実感を得ることができるでしょうか?
実とはいかなる境地にできるのでしょうか?
私にとって実があるとするならば、それは・・・
*******
昔すぎて本当に情報が少ない・・・・
本当にファン層が薄いというか、
仕方ないので最新作に近いのを紹介してみます。
私が尊敬しているストーリテラーの先生なんすよ。もう。
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