オデッサファイル(著:フレデリック・フォーサイス)【読書紹介をすると、謎の秘密結社が「それ、俺」え?なんて?「俺、ひとりで秘密結社やってる」それは秘密結社じゃないんだよ】
旧作名作。
60年代のサスペンス作家フレデリックフォーサイスの代表作。
映画化もされたけど、今回は小説枠で。
両方とも読んだし視聴したけれど。
さて、当時はまだナチスの生き残りが、ばりばり現役だった時代。
そこら辺のオッサンを調べたら、元ナチスだった。
というのが結構あった。
そういう人がユダヤ系ドイツ人の検察に逮捕されたり、あるいはイスラエルに拉致されたり、あるいはドイツ赤軍に暗殺されたりと、まあ色んな事件がありました。
もちろん戦後はおとなしく、過去をもみ消して、
リベラルな一般市民として生活していたかもしれないけど。
過去に恨みをもつ人たちにそんな言い訳は通用しない。
もちろん全然反省してない懲りてないやつもたくさんいただろう。
まずこれは、そういう時代の小説なんだ。
そこで、本当にヤバいことをしたナチ戦犯が、
南米あたりに逃亡するための極秘組織を戦争末期に樹立した。
それがオデッサである。
オデッサと言うと、現在のウクライナの港湾都市しか思い浮かばないけれど、
そっちは関係ない。
こっちのオデッサは、秘密組織の組織名なんだ。
意味はよく分からん。
もっとも実際には、「水門」と呼ばれるバチカン機関が、ナチ戦犯を南米に逃がしていたみたいだ。
だがこの小説はフィクションなので、オデッサという巨大な闇の組織を大活躍させている。エンタメだから、それくらいでいいのだろう。
60年代のある日、普通のドイツ人青年の主人公は、
逃亡ナチス戦犯のひとり、ロシュマンSS大尉の日記を読んでしまう。
その瞬間に彼は、愕然とした。
彼は、その場面を知っているのだ!
もちろん当時はまだ乳児だった彼が、直接に見たものじゃあない。
↑ ちなみにロシュマンは実在する人物である。
そう、彼は反ナチでもリベラルでもない。
それまでは、親の世代の戦争にまったく無関心な、現代若者だったのだ。
だが、ロシュマン日記を読んだからには、そうはいかない。
ただ、自分だけの目的を果たすために、ロシュマンを追い始める。
という感じで60年代のサスペンスチェイスが繰り広げられ、
ここら辺は初期007、というほどでもなく、
もう少し現実味のあるチェイスが繰り広げられる。
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さて、時代は21世紀。
さすがに不死者でもない限り、ナチ戦犯を出すのはムリだ。
(マインドアサシンくらいがぎりぎりじゃないか)
プーチニストの残党はまだ残党にはなっていないし。
サダム親衛隊の人たちは、もうそろそろ戦えない年齢じゃないか。
ISも、まだ現役バリバリだし。
東ドイツは、浦沢直樹が描いちゃったし。
あ、じゃあ、東ドイツの残党の方々に登場してもらおうか。
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