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オペレーションミンスミート&007ノータイムトゥーダイ【映画感想、それはまぎれもなく、やつさ!】

今回は2本いっぺんに紹介しようと思います。共通点があるからです。

共通点はイアンフレミング少佐です。
(上記を文字変換しようとしたら慰安婦と出ましたね。いやどうでもいいけど)
ミンスミートは、本物のフレミング少佐が活動した実話。
007は、作家フレミングが書いた虚構・・・もちろん今作の脚本は御大が書いたわけではないでしょうけど。

まずはミンスミートから。

これは簡単に言うと、
WW2の時に、連合軍がドイツ軍を騙そうとした極秘作戦。
方法としては偽の死体に偽の作戦命令書を持たせ、ドイツ軍にわざと入手させる。
偽の命令書には連合軍はギリシャを攻撃と書き、ドイツ軍にギリシャを防備させておいて、本命はシチリア島を攻める。
なんつーか、泥臭い古典的なスパイ作戦ですが。

同時期のエニグマ解読を扱ったイミテーション・ゲームみたいな作品と比べると、あか抜けてない作品ですね。(イミテーションゲームはいずれ別に解説したいです)

史実なので結末は分かりきってます。
作戦は成功です。ドイツ軍は見事に騙されてくれます。
ただ分かりきってる結末に至る過程を描くだけでもドキドキできます。

ちなみに私は当初よくわかってなかったのですが、
主人公は主役二人組(海軍と空軍)ユーエン・モンタギューとチャムリー。

イアンフレミングはその二人の部下である若造なんですね。完全に脇役。

フレミングは全編出てきますが、基本チョイ役でして。
女性スタッフのジーンと、主役2人組の三人がメインの話です。

死体は最近に死んだ人から調達します。身元不明者の死体を調達。
それに恋人からの手紙とかで細部を修飾していきます。
それっぽい雰囲気を出さないと信じてもらえないからね。

カヴァーストーリーは綿密に本物らしく手を抜かず神は細部に宿る精神で作りこまないといけません。そうしないと少しの違和感からバレます。
そういうわけで女性スタッフのジーンに写真と自作のラブレターを書いてもらい、偽の作戦命令書は本当にその将軍に書いてもらいます。
しかし好事魔多し、あらゆる邪魔が入ります。

そもそもね。これはドイツ側に確保してもらわないと意味がないので、それもわざとらしく入手させるとバレるから、あくまで英国が死に物狂いで回収しようとして失敗した、という印象にしないといけません。

そんでもって中立国スペインの浜辺に死体を打ち上げるのですが、スペインは親ドイツ派も多いが親英国派も少なくない。なので余計なことをしてくれる人がいるのですね。本来なら歓迎すべきなんですが。

まあ、そこらへんは過剰なネタバレは避けます。他にもトラブルが多発します。

ただ、結局うまく言ってるかは実際にシチリアに侵攻してみないと分からないわけで。
その瞬間までヤキモキせざるをえません。

ちなみに映画には出てこない話ですが、
同時期にドイツ軍とソ連軍との決戦であるクルスク会戦も起きているので、同盟国としては不利といっても何もしないわけにはいきません。
(クルスク会戦でドイツが敗北した理由が、シチリア侵攻のために兵力を引き抜かなければならなくなったからです。同盟国としての面目が立ちましたね)

また今作におけるイギリス情報部には、007に出てくるような部局の原型が出てきます。
MI5(国内防諜部門)長官は、Mことゴドフリー海軍少将。
Qこと秘密兵器開発局は実際に面妖な器具を作ってる。
MとかQは実在したんですね。

*****

ではもう一本の方に行きましょう。
007シリーズ最新作、ノータイムトゥーダイ。
ダニエル・クレイグのボンドもこれが最後です。

事前情報ではボンドは引退し、新しい黒人女性の007が登場するということで物議をかもしました。
これ撤回はされてませんが、今作においてはダニエル・クレイグが主人公役です。
黒人女性007は、頼れる友軍キャラとして活躍するだけです。
名前はジェームズになりようがないしね。
引退しているにも関わらず、結局のところ、ボンドは主役として関わっちゃうんですね。

これまでにも頼れる友軍キャラ、CIAのフィリックスとか、ソ連のアニエス少佐とか、あとはスペクターにいたはずのジョーズがなぜか味方になってくれたりとか、これまでもありましたけど、フィリックスが今作も出てきます。(ですが)まあ過剰なネタバレは避けます。

そして今作においては、もう2つの007シリーズ初の出来事が起こります。
ネタバレ回避のためにひとつは言いません。
でも、もうひとつは言わせてください。
冒頭アクションでなんとなくわかる人もいると思いますが、

ついにボンドに○○○ができます。
だいじょぶかな言っても。でも冒頭で気づくからな。

今まで、レーゼンビーが結婚したことはあったけど、
○○○とか出てきたことはなかったですね。

しかしこれは007シリーズ全体が売れなくなってきていることも示唆しているかもしれません。
アクション映画で同じようなコンセプトはそれこそ、星の数ほどありますしね。
そんな中で伝統があるからと言う理由だけで続けていけるわけがない。
ダニエル・クレイグ編になってから、いろんな新機軸を導入してきていますが、工夫もなく漫然と作っていたらすぐにダメになるでしょう。でもこの先にも視聴者を期待させる新機軸を出していけるのかどうか。

MGMは次のボンドは登場すると予告していますが、さて。

いつかはシリーズが終わるときがやって来ると思うのですが。

まあしかし、少なくともその日は、しばらく先のことでしょう。
二時間半の濃縮された時間を楽しめました。去年大晦日に観た映画でした。

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