パリ警察1768(著:真梨幸子)【読書紹介とはこういうことさ】
注意:女性の作家さんの作品ですが、この作品にはリョナ描写があります。
というのも冒頭に語られる殺人容疑者は、かのマルキ・ド・サド侯爵だから。(サド侯爵については、どうか自己責任でお調べください)
まあ、サド侯爵要素だけではないんですけど。
女性の作家さんはそういう描写に容赦ないですね。
この作品はもともと「パリ黙示録1768娼婦ジャンヌテスタル殺人事件」というタイトルを改題したものです。改題は正解だったと思います。
謎の殺人事件を1760年代のパリ警察刑事が追いかけるという異色の刑事ものです。
単行本の表紙はピンクです。
BL感かもし出してるアルよ。
こんなピンクの表紙をなぜ買ったかというと、
「ブルボン王朝オタク」だから。
いや、ナチオタクとかソ連オタクというのが、極まるとブルボン王朝オタクになるんです。ええ。本当なんですよ。いやどうでもいいかもですが。
つまりですね。そういうルイ15世辺りの歴史が好きという方は、初見買いでも大丈夫ということです。リョナ描写耐性があれば。
といってもそこはミステリなので、過剰な描写というほどではありません。
(ないよね?)
ちなみにミステリにはこういうグロい話がしばしば出てくるものです。
グロい話に耐性がない人はミステリを避けましょう。
(中には安心して読めるミステリをうたい文句にしている作品もありますよ)
まずこの作品にはレッドへリングが大量に出てきます。
レッドへリングというのは、いわゆる偽のヒント。
名探偵たるもの、偽物と真実の混淆の中から、真実のみを見つけ出さなければなりません。
なんかバレそうなのでこれ以上は控えます。
またミステリによくあるパターンなんですが。
深層に進めば進むほど、読者が読んでいる内容そのものが解かれるべき謎になってきます。いわゆる叙述トリック的な書き方ですね。
序盤とはかなり関係のないところに着地点が・・・
あやや、だめだ。これ以上は。
歴史上の舞台を用いているにも関わらず、舞台そのものにも謎を仕掛けてくる。
歴史ミステリといえばこれですよね。いや、そうかな。
少なくとも謎を解かれる快感は確かにありました。
題名で損をしてたかもしれない。
最近は謎が少ないとお嘆きの方には、悪くない作品だと思いますよ。
ちなみに作中にヴェルサイユ宮殿はワンカットも出てきません。
↓ こちらの書評、表紙はハードカバー版です。
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