『夜明けのすべて』の話。
PMSの藤沢さんとパニック障害の山添くん。
思い通りにいかない日も、誰かにちょっと寄り添えた日もある。
そんな2人の日々や言葉が、共感と感動を穏やかに運んでくれる。
夜が来てまた朝を迎えるように、みんなそれぞれ不安を抱えながら、それぞれ楽しく生きている。
劇的な変化がなくても、大きな一歩が踏み出せなくても、人生って静かにゆっくり、でも着実に進んでいくものなのかもしれない。
俳優さんたちがとても良くて、藤沢さんも山添くんも、その周りの人たちも、本当にそこに存在してる感じがした。
萌音ちゃんの詩の朗読はさすが、映画の締め括りとして最高。
数年前、原作を買ったものの症状の描写がなかなかにリアルで最後まで読みきれなかった作品だった。
作者の瀬尾まいこさん自身がパニック障害だったと知ったのは最近のこと。
本の中には映画で出番のなかった言葉たちがまだまだあるだろうけど、それでも大事なことにまた一つ気づくことができたので満足。