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『チャレンジャーズ』の話

画像出典:filmarks

女性として、テニスプレーヤーとして、若くして圧倒的な魅力を放つ女性に翻弄される親友同士の男たち…なんて構図を想像していたら、思っていた以上に複雑で繊細な三角関係だった。

出会ったばかりの10代。
選手として活躍した学生時代。
それぞれの形で大人になった現代。
時代ごとに矢印の方向があちこちに向いて、最後まで誰が誰にどんな思いを抱いているの!とハラハラドキドキな展開。

誰の言葉が本当で、誰の愛が本物か。
どの言葉も駆け引きのように感じたし、どのシーンも切実なような気もして、結局最後まで読めず…
観ているこちらがそうなのだから、本人たちも何を一番に求めているのかわからなくなっているのでは?とまで思う。

ボールを打つこと(テニス)しかできない、それが使命だというニュアンスのセリフが度々出てくる。
結果的に、それぞれの理由でテニスを続けることが難しくなっていく現実が切ない。
でも、主人公の言うように「テニスは人間関係」なんだとしたら、テニスを通じてさらに燃え上がった三角関係は、今後も長く続いていくんだろうな、と感じさせるラスト。
まだまだ観ていたい!と思うお三方だった。


映画を観終わったあとトイレ待ちの列で後ろの女性二人組が、「あの雰囲気好きだったかも。他に何撮った人かな」と話していて、ルカ・グァダニーノはあの『君の名前で僕を呼んで』の監督ですよ!と心の中で話しかけた。
今回の舞台はアメリカ、イケイケの音楽もあって『君の名前で〜』とはまた違う雰囲気だったけど、画面いっぱいに映し出される表情で感情がわかる感じとか、日差しや汗が眩しい感じとか、今回も初夏に観るのにぴったりな作品だった。

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