2023年のWBCをみて思ったこと
※この記事は2023年3月に社内向けに発信したものを社外向けに書き直したものです。
※野球ファンじゃない方も閉じずに読んでいただければ幸いです。
WBCの熱冷めやらぬ今日この頃。
2006年、2009年大会と2連覇後、優勝から遠ざかっていた日本が見事優勝。
準決勝では不振に喘ぐ村上選手の衝撃的な逆転打でサヨナラ。
決勝も米国に先制を許しながらもしぶとく逆転し、最後は守り切った。
チームの力、人を信じる力ってこんなにも素晴らしいんだ、と改めて思いました。
栗山監督のマネジメント力や、メジャー選手とメジャー所属していない選手、全員の様々なドラマが何重にも絡み合い、今回の優勝という結果に繋がったのだと感じています。
野球の国際大会でありながらも学びがたくさんありましたが、
今大会を通して感じた2つのことについて共有したいと思います。
▼圧倒的なチームワーク
短期間の大会ではありましたが、優勝を成し遂げるにふさわしい、
圧倒的なチームワークが構築されていました。
好不調ありながらも不調なメンバーがここぞの時に本来の力を発揮したり、
怪我をしながらもハッスルプレーを欠かさず仲間を鼓舞したり、
仲間を盛り上げるパフォーマンス、アクション、助け合いがあったり、
もう学びになる事が山ほどありました。
初戦(中国戦)を終えた今永選手のコメントが印象的でした。
家族のような、冗談も言い合えますし、でも技術を教えあったり、
お互いを高めあったり、時には弱みを見せながらそのような関係性を築き上げられている
我々が定義しているチームワークの構成要素の5つに照らし合わせてみると、このチームは見事に達成できていたのではないかなと感じます。
ちょっと各項目について、エピソードを拾ってみました。
Relation
~チームメンバー同士が互いに信頼出来ていること~
予選では不調に喘いでいた村上選手でしたが、メキシコ戦のサヨナラの大チャンスで、そのままバッターボックスへ。
多くの日本人が、「ここでは代打出さんのか?!」と思った場面でしたが、その期待に応え、逆転サヨナラタイムリーが生まれました。
村上選手を監督・選手が信頼していたからこその一打だったと思います。
Communication
~チームメンバー同士が互いに信頼し合うために必要な相互理解、状況把握~
チーム最年長で、メジャー組では唯一宮崎キャンプに参加していたダルビッシュ選手は、練習中に投手陣に積極的にアドバイスを送ったり、食事会を設けるなどメンバーとのコミュニケーションを多く図りました。
その食事会で中心となった宇田川選手も2回の登板でしっかりと活躍をしました。
双方のコミュニケーションがなした業だと感じます。
Direction
~チームが達成すべき目標やその目的、達成までの道筋~
ここは明確で、栗山監督が「世界一の奪還」という目標を明言しており、全選手・スタッフがこの共通の目的意識を持って取り組んでいました。
代表メンバー発表の際に「世界一になるということだけを考えて選びました」「投手陣を中心に守り切って、我慢しながら勝ち切っていく形」というチーム構想の話からも、目的と手段が明確になっていたことが見て取れます。
Role
~チーム目標達成に必要な役割とその実行度合い~
大谷選手は自身の役割を問われると「二刀流は僕のプレースタイルです」とし、「チームにとって必要であれば投打の両方でベストを尽くす」と発言しており、大谷選手がチームから求められる役割を理解し、戦っていたと推察できます。
また、壮行試合では、出場できない選手(主にメジャー選手)に代わり、サポートメンバー(万波選手、岡選手、藤原選手)が出場するなど、本番に向けた万全の体制と各々の意識が整っていたのだと感じます。
Synergy
~チームの目標達成に向けた相乗効果~
ダルビッシュ有選手から語られた逸話ですが、壮行試合において、大谷選手の打撃練習をみた村上選手は「怒っていた」そうです。
村上選手は大谷選手のすごさに感嘆するだけではなく、対抗意識を燃やして、負けたくないという想いから、ダルビッシュ選手に積極的にアドバイスを求めました。
チーム内で互いに信頼すると共に対抗心と闘争心を燃やすことでチームパフォーマンスが上がったのだと推察します。
侍ジャパンの上記のエピソードは、チームワークを構築するためのヒントになると思います。
もちろん一般人が知らないような裏エピソードも多数あると思いますが、ここでは書ききれないようなあらゆるエピソードがネットに落ちていますので、気になる方は検索してみてください。
※上記を参考にしたURLは記事の末尾に貼ってあります。
▼憧れからの脱却
そして、もう1つ。
世界一奪還のキーマンとなったのは言わずもがな、大リーグ・エンジェルスで活躍をする大谷翔平選手。※当時
投手として9回2/3(全選手内で1位)を投げて、11奪三振(同3位)。
2勝(同1位タイ)、1セーブ(5位タイ)。
打者でもOPS1・345(同3位)、打率0.435(同4位)、1本塁打、8打点(4位タイ)。
成績がぶっ飛びすぎてて、
Twitterでは「野球漫画メジャーを超えた」「フィクションよりすごい」と
盛り上がっていたものです。
成績もすごかったですが、私が一番感銘を受けたのは、決勝前の円陣での声掛けでした。
以下、全文です。
僕からは1個だけ。憧れるのをやめましょう。
ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、
外野にムーキー・ベッツがいたりとか。
まあ野球やっていれば誰しもが聞いたことがあるような選手たちがやっぱりいると思うんですけど。
今日1日だけは、やっぱ憧れてしまったら超えられないんでね。
僕らは今日超えるために、やっぱトップになるために来たので。
今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。
さあ行こう!
最後は震えました。改めて観ても身震いします。
メジャーで活躍をしている彼の実績があってこその掛け声だったと思いますが、日本のメンバーを鼓舞する、最高にかっこいい言葉だなぁ、と。
何度もこの掛け声を見返しながら思ったことは、
“自分の立場に置き換えることができるな”という事です。
一昔前は相手にされなかったような企業との取引を始めさせていただいたり、誰もが知っている超大手・マンモス企業と商談が出来たり、様相が変わってきました。
私も事業の立ち上げ初期を振り替えるとコンサル会社や大手SIerが取引をしている企業群を見て、当時はある種の”憧れ”を抱いていたのかもしれません。
また、彼らに提案するのは無理かもしれない、と勝手に決めつけていたかもしれません。
ただ、いま我々は今年のテーマにもあるように急拡大をしていかなければいけないフェーズです。
急拡大・急成長を果たしていくためには優良クライアントを開拓していかなければいけないし、そこでパフォーマンスを上げていかなければいけない。
パフォーマンスを上げるためには教育制度の強化はもちろん、チームによる支援や体制化を図っていけなければいけない。
そのための採用も重要、その先の営業も重要、手前の事業企画、戦略策定ももちろん強固に固めていけない…
単なる憧れではこの様なことはできる訳なく、明確な目標を定めて全力疾走をする、そして”超えていく”。
憧れを捨て、トップになるという大きな目標を掲げ進み続けることが重要だと痛感させられました。
野球狂のような書き方となってしまいましたが、以上です。
※追記
どの国との試合か、はっきり覚えていないのですが、実況が、
「それにしても短期間で良くここまでチームワークを強くしましたね、その要因はなんでしょうか」と問うて、解説が「ほにゃほにゃペケペケ」言ってたんですが思い出せません…
あぁ~いいこと言うな~って思って、メモしようとして、忘れました。
覚えてたら教えてください㎜
※参考
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