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読書日記・優しさで消耗したい

8月11日(日)

久しぶりに『しあわせは食べて寝て待て』を読み返す。3巻を読んでいたら、「優しさにも体力がいる」という言葉が出てきてハッとする。

優しくできないとき、それは体力も気力も失っているというサインかもしれない。それで言うと、私はつねに体力も気力も失っている。

つねに怒ってばかりいるせいか、怒りで体力を消耗しているように思う。まずい、これはまずい。できることなら、私も優しさで体力を消耗したい(切実)。





8月12日(月)

『トゥルー・クライム・ストーリー』を読み終わる。関係者たちのインタビューから、女子学生・ゾーイが失踪した事件の真相を追うというストーリー。

両親や姉、そして友人たちの証言を読み進めるごとに、誰もが本当のことを言っているようでいて、誰もが嘘をついているようでもあるため、誰のことも信じられなくなり、人間不信になったままラストを迎えた。どういう気持ちで真相を受け止めたらいいのかわからないまま、いまに至る。

本の帯に「読後、真の犯罪が何であったのか熟考すること」とあるので、本を読み終わったからといって、スッキリするタイプの小説ではなさそう。でも面白かった。ジョセフ・ノックス氏の作品をもっと読みたい。





8月13日(火)

いまさらながら『アンメット』を全話見終わる。とても良かった。とにかく良かった。杉咲花さん演じる川内先生の喋りかた、そして人の話を聞く姿勢など、すごく優しくてとにかく良かった。三瓶先生の独特なキャラクターも良かったし、仲間たちのあたたかさも良かったし、とにかくすべてが良かった。

語彙力ないので「良かった」ばかり連呼している。本当に感動したとき、人は語彙力をなくすって言うし(え?本当??)、「良かった」と連呼するのはある意味、正しいのかもしれない(表現力がないことへの言い訳)。




8月14日(水)

垣谷美雨さんの『もう別れてもいいですか』を読む。

男尊女卑が強く、自分をバカにする夫と一緒にいることに耐えられなくなった主人公・澄子。離婚したい気持ちはあるものの、一人で生活していくだけのお金をパート勤務だけでまかなえるのか不安だし、30年以上も夫からの扱いに我慢してきたのだから、これからも我慢していくほうが生活は安泰だろうかと悩んだりする。

我慢することが習慣になっているせいで、物事を正確に判断する能力が失われている澄子を見ていると、人間の精神はこうして壊れていくのだろうか、とこわくなる。

暴言を吐かれたら、倍以上の暴言で返す私にはわからない世界があるんだろうな。



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