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【読書日記】2021年8月26日

朝からイレギュラーなことが勃発して病院へ行ったり、夕方は心配な電話もかかってきたりで心がクタクタに疲れてしまった。こういう時に「どうしてこんなことになったんだ」と過去を責めても仕方が無いし、でもやっぱり考えてしまうよね、どうしてこうなったかをね、と自分をなぐさめてみたり。

以前の私なら、落ち込むことがあるとどんどん落ち込み続けて、抜け出せない沼にハマって帰れなくなるなんてことはしょっちゅうだった。しかし今は「そんなこともある」と考えるようにしていて、そうするとイレギュラーなことにも少しは対処できるようになってきた気がしている。「気がしている」だけであって、本当に善処しているかは定かではない。

そんなこんなで今日の読書は、今話題の筒井康隆さんの『残像に口紅を』。

文字がひとつずつ消えていく世界を読む。ただ文字が消えるだけの世界だと思いきや、文字と同時にその対象物も消えてしまうようで、そして消えてしまうことに登場人物たちも驚きつつ、でも対象物に対する記憶も消えていくのでさして困っている様子でもなく、なんとも不思議な世界だった。最後はどうなるのだろうか。

こういう流行りに乗っかった読書は、出来ればしたくないとずっと思っていて、「皆と同じ」がどうしても嫌だった時期があったのだけど、いつからかランキングに入っている本も読んでみないことには良し悪しなんて分からないわけで、もしかしたら、その時の自分にとってピッタリ当てはまる事柄がある可能性だってあるんだもの、なんて思いながら流行りの本も読むようになった。

ただ自分が偏屈な人間なのも理解はしていて、流行り本を素直に「面白かった」と言えない面もないことはない。けれどそれはただ素直ではないというだけの話であって、本自体は面白いものだってたくさんあるんだし、自分が理解できないだけのものだって山のようにあるわけで。

こうして流行りに乗っかって読んでいる『残像に口紅を』も、割と前のめりになって読んでいるので、流行りに乗ることも、屁理屈をこねて毛嫌いしているよりは良いんじゃないか、と思うようになった。年を重ねて少しは丸みを帯びてきたのか、それとも反発する気力が失われているのか。これが老化現象だったら嫌なので、このことについてはあまり深く考えないようにしたい。

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