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苦手なものは苦手だ

料理に掃除に洗濯に。すべてをこなせなければ、お嫁に行くのは難しいだろうと言われた頃もあったのに、家事が苦手なままお嫁に行った私は、今でも家事が苦手だ。

やっていくうちに慣れるだろう。数をこなせば上手になるだろう。そんな淡い期待は淡いままで消えていき、料理も掃除も洗濯も、何一つとして上手になることもなく、きっとこのまま年を取っていくのだろうなと思う。

山内マリコさんの『かわいい結婚』の中に、家事が苦手な女性・ひかりがいた。

お米をたくこともできないので、レトルトのお米と総菜の夕食。洗濯も掃除も苦手で、買ったはずのルンバは部屋の中で行方不明となっている。

ひかりほどではないけれど、私も家事は苦手で、特に料理などは毎日メニューを変えなければいけないことが苦痛でならない。毎日同じメニューでも良いじゃないか!!!と誰にともなく言いたくなる。毎日同じメニューにしたらしたで、それに飽きるのは自分自身だというのに(夫は毎日同じでも平気な人)。

ひかりも私も、家事が苦手だ。ただ違うのは、ひかりは家事が苦手だからやらないという選択肢を選んでいるけれど、私はやらざるを得ないという状況にいるということぐらい。どちらも「家事が苦手」という気持ちは同じで、そこから善処しよう、という気持ちがないのだった。

苦手だからと言えば、やらなくても済むというものでもなく、生活している以上、日々何かしらの家事は生まれるし、そこから逃げることもなかなか難しい。それは既婚だろうが独身だろうが同じことで、生活に関するアレコレは必ず発生する。

ただ家族が居るのと居ないのとでは、ズボラに差はあるかもしれない。私はどちらにしてもズボラに磨きをかけていて、「ホコリで人は死なない!」「総菜やレトルトはプロの味!」などと偉そうに講釈をたれているけれど。

家事が得意な人に憧れる。憧れてばかりいても始まらないので、まずは苦手意識を払しょくするところからだな、と思いつつ、そうは言っても重い腰は上がらないのだ、嫌いなものは嫌いなのだと、ひねくれた心が私の中であふれた。

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