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黒胆汁を遠ざけて

ここのところ、以前にくらべて読書に集中できる時間が増えてきていると感じていて、それがとても嬉しいのだった。集中できている原因はさっぱりわからないし、集中できている気がしているだけで実際は何にも変わっちゃいないのかもしれないけれど、短時間でも本に集中できるってとても素晴らしいことだ。

そんな私がいま読んでいるのは『読書セラピスト』

ギリシャ人は何千年も前に本に癒す力があると知って、図書館で実際に使ってた。書物は頭と血液をきれいにし、虚無への誘惑と黒胆汁を遠ざける。

『読書セラピスト』より引用

この文章にある「黒胆汁」というのが何なのか分からなくて、Googleで検索したら「黒胆汁質」という言葉があり、そこに

ギリシア時代の四(よん)体液説に関係づけて分類された四(よん)気質の一種で、ゆううつ質ともいう。 現在では次のように考えられている。 心配性で、取り越し苦労をする。 また、内気で口数が少なく、物事を厳しくまじめに考え、慎重で消極的になりやすい。

Googleより引用

と書いてあった。

心配性で取り越し苦労をし、内気で口数が少なくて物事を厳しくまじめに考え、慎重で消極的だなんて。
まさに私だった。

『読書セラピスト』にあるように、書物がこの黒胆汁を遠ざけてくれるのならば、是非とも私も読書セラピーを受けたいと思いつつ、いや待てよ、よくよく考えてみれば、自分自身が選んだ本であっても、私はいままでたくさん救われてきたはずだ。ということはもうすでに、私は読書で癒しを得ているのだなと納得した。

ただ、人様に本を選んでもらうという行為はとても憧れていて、それは自分がどういう状態でどういう人間なのかといったことを、客観的に見てもらえるからかもしれない。自分を客観的に見つめるというのは、本を通して出来たかもしれない!と思う時もあるけれど、それが本当の意味で客観視しているものなのか、私には自信がない。

そういった面も含めて、選書してもらうことに強い憧れはあるものの、しかし選んでもらった本がさっぱり分からなかった、なんて思うことがあったら選んでもらった人に申し訳ない気持ちになり、きっと私はそれに耐えられないだろうと思うと、選書をしてもらいたい気持ちも消えていくのだった。

心配性で取り越し苦労をし、内気で口数が少なくて、物事を厳しくまじめに考え、慎重で消極的。
そんな黒胆汁な自分が、思いっきり行く手を遮っている感が拭えない。そんな黒胆汁には、本を読んで読んで読みまくって、遠ざかってもらいたいものだ。

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