それぞれの道
君が選んだ第一志望の大学は
私の第一志望から距離がずっと遠く
別々の道を選択することになった
それから一週間
最後のメッセージに既読がつかないのは
君の優しさなのだとようやく気付いた
「もう、友達には戻れないんだ」
そう伝えている
私がまっすぐ前を見て進んで行けるよう
君が自分の目的に集中して進んで行けるよう
そう願っているに違いない
夏休みを夏期講習でいっぱいにした
君のことを思い出せないくらい
忙しい日々を送りたいから
「友達には戻れない」のは
私たちが「特別な関係」だったからだと
今さらながら気付かせてくれた
人生の哀しみや痛みは
突き刺さったままではなくて
やがて溶け出して「優しさ」に変わるのだと
教えてくれたね
君のアカウントはそのままにしておこう
合格の知らせくらい届くかもしれないし
君といた時間を
忘れたいわけではないのだから
それでも
足りない何かを探すため
前を向いて進もうと思う
君の幸せを遠くで願いながら