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雪のひとひら

山根あきらさんの企画に参加させて頂きます。
南かのんさんの音楽を流しながらお読み下さい。

ポール・ギャリコ作「雪のひとひら」は、雪の結晶を擬人化したもので、平凡なひとりの女性の誕生から死に至るまでをえがいた、いわば女の一生の物語です。

原作より引用
死を前にした「雪のひとひら」は「宇宙のすばらしい調和を思い、その中で一役果たすべく世に送られたこと」を思います。「はじめて空から舞いおりてきたときに感じとったとおなじ、ほのぼのとした、やわらかい、すべてを包みこむようなやさしいものが身のまわりにたちこめる」のを感じます。



原作にリスペクトを込めつつ
異なる女の、半生を書いてみました。
松下


わたしの手のひらに
舞い降りた天使たちは
しばらくの間
わたしを楽しませてくれた


そうして
ひとひらの雪がやがて
風に乗って舞っていくように
わたしの元を去って行った

わたしに天使を授けてくれた
あなたは
いつしか姿を消して
もう会えないところに逝った


あんなにも にぎやかだったあの頃
あの頃の私も もういない



静かに降り積もる雪に
いつの間にか私は同化して
雪の化身のように
青く冷たく光り


黒かった髪は
まるで雪のように
白銀に光り


私はいつか老婆のようになって
この世を去っていく


あなたの元へ行けるかしら?


ねえ、人生って何のためにあるの?


一度手に入れたものは全て
指の間からひとひら またひとひら
すり抜けて散ってゆく


結局は生まれた時と同じように


またひとりぼっち


ひとちぼっち


どこへ向かっているのかすら
わからない明日は



あと何回続くのだろう?



そう思った途端 私は白銀の上に倒れ
雪の化身のように
青く冷たく光り動かなくなった




南かのんさん
【癒しピアノ】クリスマスに聴きたいピアノ🎄1時間・チルピアノ・Healing Piano BGM 勉強用 作業用 朝活用【オリジナル】をリンクさせて頂きありがとうございます✨

小々露(こころ)さんの素敵なイラストを使わせて頂きありがとうございます✨