チューリップを見る度に思い出す君のこと
学生時代を一緒に過ごした君は
まるで桃色のチューリップのように
愛らしい人だった
誰にでも親切な君の周りには
いつも人が集まっていて
僕は正直、ヤキモチを焼いたこともあった
でもそのくらいみんなから慕われていた君は
僕にとても優しかった
君のことを一生幸せにしたいと思っていた
でも、できなかった
それは誰のせいでもなく
タイミングが僕たちに
味方してくれなかったからだと
思っているけれど
結局は僕が君のことを
リードできなかったのだとも
思っている
桃色のチューリップの花言葉は
「愛の芽生え」「誠実な愛」
君が「誠実な愛」を手に入れて
幸せに過ごしていることを
僕はずっと願っていた
そしたら
昨日見かけたんだ
お母さんになった君が
あの頃と変わらない笑顔で
小さい女の子と一緒に散歩をしている姿
僕は君に声を掛けることはできなかった
嬉しいような
胸が締め付けられるような
複雑な気持ちだった
白いチューリップの花言葉は
「失われた恋」
君との過去の全ては
もうどこにもないのだと
この年になって
ようやく実感することができたんだ
そうだな
僕はそろそろ自分の幸せを願いたいと
心から思った
白いチューリップのもう一つの花言葉は
「新しい恋」
自分のことをもっともっと
大切にしてみたい
いつか君に祝福してもらえるようにさ
【花言葉シリーズ❽】チューリップ