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【書評】下村湖人『論語物語』

革命的に素晴らしい本。青空文庫。

多くの著名人が「私の愛読書は論語です」「何か悩みがあるときは孔子に相談します」「論語は東洋の智慧の宝庫です」などと語っており、「そんなに良いならぜひ読んでみよう」と思い、挑戦するも、1ページ目であえなく陥落。そもそも何が良いのか全く分からない・・・

それならば、と解説書を読むものの、論語っぽいものはつまらなく、面白いものは、「これって、論語と関係あるの?」。礼とか、仁義とか、忠孝とか、そりゃ大事でしょうが、ピンと来ない。

そのような方々にとって、この本はまさに革命的。28話の楽しいエピソードを読むことで論語の真髄に触れることができる。

孔子の弟子たちが、格好つけて良いことを言おうとするが、孔子に見事に打ち砕かれる。打算や虚栄心を隠しても孔子により鮮やかにさらけ出される。痛快な物語が、孔子と弟子たちの心情描写とともに語られる。

本書により初めて論語の意義、奥深さを知ることができた。


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