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シェイクスピアと、マクベスと、原種と。
イギリスの公用語が一時フランス語だった。という記事を書いたのですが、英語が確立されるのは本当に時間がかかるんだなと新鮮な驚きでした。それがこの1066年。その後百年戦争が起こる14世期までフランス語を貴族たちは使っていたわけです。
英語が英語としてちゃんと書物としてのこっているのはおそらくシェークスピアの戯曲集からかなと思われます。
イギリス屈指の劇作家 ウイリアムシェイクスピア(1564〜1616)
スペインの無敵艦隊を破って、東インド会社が設立し、日本では江戸幕府が開かれるころです。庶民目線もありつつ、イングランドの国王の歴史劇を数多く作ったことから、弾圧の憂き目にあうことなく、なんていうか、うまく世間を渡った、うん、世渡り上手な人だったという印象があります。ただ、本当に全部シェイクスピアが全部の作品を作ったのかと言われると、どうも、彼の旅した記録の動線の辻褄が合わず、おかしいぞというところもあり、「チーム シェイクスピア」だったんではないかという説もあります。とにかくシェイクスピアの作品がどこにも当たり障りなく万人受けが良かったことが幸いして、現在の英語に多大な影響を与えたというのは間違いありません。貴族だけでなく、庶民にも知的な言い回しが洒落てて良かったんでしょう。おかげで高校のときはシェイクスピアの時代まで遡って英語の歴史を覚えることになってしまい、おそらく特に英文科の皆さんにとってはうんざりする名前であるかもしれません。
というわけで、ここで「4大悲劇」といえば?
そうです!「ハムレット」「オセロ」「マクベス」「リア王」
「ハムレット」
復讐の彼方に。殺し、殺され、自らも死す。悲劇中の悲劇。
kindleなら無料で読めます。
光文社古典新訳文庫。オススメします。この表紙の絵、ホントすごい。プラトンとかもあります。(家に並べて眺めてみたい。kindleで並べても可愛いけれど。)
“これが『ハムレット』の原形、伝説のテキスト「Q1」ついに登場! シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作!“
このQ1というのがポイントで、マニアックな人しか知らないと思うんですが、原形であるが故に、どこか不十分で、そのあと加筆されていき、Q2やらF1やらと、読みやすいのですが、ページ数がドンっとアップ。長編でございます。ここは一つ、生物学の遺伝とか交配みたいなところを想像して欲しいのですが、例えばチューリップで言いかえれば、今は色んな淡い色や変わった形、大きな八重咲きだってある。原種って小さいし、咲いていてももしかして気づかないほど素朴だけど、可愛らしくてやっぱり好き。といったところです。(花好きにしかわからない例え)
ハムレット、Q1。光文社古典新訳文庫。そして今日は私の好物を置いて去ります。