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Byzantium(邦題:ビザンチウム)/切ない吸血鬼の物語

Amazonプライムビデオで「残り30時間」に釣られて観たら、意外に面白かった。

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994)のニール・ジョーダン監督が再びバンパイアを題材に取り上げ、シアーシャ・ローナン主演で永遠の孤独を宿命づけられた吸血鬼の少女の姿を描く。原作は、脚本家で劇作家のモイラ・バフィーニが2007年に発表した舞台「A Vampire Story」。人の血を吸い生きるバンパイアの少女エレノアは、たったひとりの肉親の女性クララとともに、見知らぬ街から街へと移り住みながら生きていた。ある時、海辺のさびれた保養地に建つゲストハウス「ビザンチウム」を訪れたエレノアは、難病のため余命わずかの青年フランクと出会い、恋に落ちてしまう。バンパイアの血の掟に背いたことで、クララとの絆も揺らぎ始めたその時、エレノアとクララを追う者の魔の手が迫り……。

2012年製作/118分/R15+/イギリス・アイルランド合作
原題:Byzantium
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2013年9月20日

https://eiga.com/movie/78587/


雑感

事前情報無しに観た。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の監督(Neil Jordan)が撮った「吸血鬼映画」というのは知っていた。

観てみると同じ吸血鬼でも設定が異なる。
 
吸血鬼映画には必須の「血を吸われたものは眷族になる」ではない。
今年、原作コミックが終了した『よふかしのうた』などもこれに倣っている。
アニメは2期制作が決まっているらしい。


話をByzantiumに戻す。
ネタバレになるが、とある無人島の洞穴に入ると吸血鬼社会の一員になる(貴族的な男性社会)。
映画の中で血を吸われる人間はそのまま死に至る。
 
主人公エレノアは、死期間近の人間からだけ血を吸う、気配りの吸血鬼。
200年生きて来て孤独を感じるところが、バンパイアらしからぬ感じ。
あるカフェに飛び入り、置いてあるピアノで物悲しい曲を上手く弾き、店員に「どうやったらあのような曲が弾けるのか?」の質問に「200年練習した」の返事はクスッと笑うところ。
 
映画のトレーラーは動きのあるシーンを散りばめているが、2時間弱の映画の多くは海辺にある街で物静かにストーリーが進む。
景色に既視感があり、ロケ地を調べてみた。

Londonから100kmほど南下した海辺の街がロケ地のようだ
ここから西に数十キロの海岸で一日過ごしたことがある

思い悩みながら200年生きている吸血鬼が主人公なのでスリラー映画ではなく、男女が出てきても色恋に行く話でもない。
生きづらい世の中を反映した物語、と取れなくもない。
 
終わり方が簡単でハッピー?エンドなところで、映画が少し軽くなってしまったように感じる。
(そうしなければ「やたら暗い映画」と評価されたかもしれない)
 
 

MOH


 

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