『無名』 原題「无名」 / 日本公開日に映画館へ(海外では2023年に公開済)
内容はフィクションだが時代背景は史実に基づいており、第二次世界大戦以前の中国事情を少し知っておかないと、話の筋が見えにくいと思う。
王一博推しのらん💚85号さんが、1年前に配信で観た感想を熱く語っている。
映画の内容は、そちらの記事が詳しい。
雑感
「身内がオンラインでチケットを取ってくれたので一緒に行った」が、映画館へ行くまでのモチベーション。でも観始めると130分が短く感じられた。
雨のシーンが多く雨に降られるが故の人物の仕草、全体的にトーンを落とした映像が、スパイ映画の雰囲気を醸し出している。
ロケ地の多くは上海市内だったらしい。
上海は出張で春夏秋冬、一通り滞在したが傘を差した記憶は冬に「蟹王府」へ行った時くらい。
撮影で雨を降らせる(水を降らせる)のは大変だったと思う。
この映画は物語の時系列をバラバラにし、再構成した映像をまとめたところに特徴がある。その手法は「パルプ フィクション」のようにエピソードを並び替えるのではなく、各エピソードを途中で切った上で再構成しているので、注意して観ないと内容が分からなくなる。
130分の中で注意力と記憶力が必要。
最近の映画はハリウッド映画も含め、作品の中で説明が多過ぎる感じがしていたので、飽きずに観ることが出来た。
当時の時代背景については、拙作「安定を重視して就職したつもりの会社が・・・ブラックな地球防衛隊?だった件」に、1921年(上海を訪れた芥川竜之介とニアミスする「上海游記」)を舞台にしたエピソードがあり、その前後の歴史(租界の様子等)を少し調べたことがあるので理解できた。
その僅かな知識はエピソードの中で、中国人能力者/張玲(ツァン リン)が、日本人能力者に説明する形で物語を進めている。
リリースしてから時間も経ち、忘れたことも多いが、一言で言えばこんな世界。
映画の中で描かれる日本人像に、さほど違和感は感じなかった。
かつてハリウッド映画が描いた日本人像の様な乖離はない。
日本で公開されたばかりなので、最寄りの映画館で観ることができると思う。
MOH