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『無名』 原題「无名」 / 日本公開日に映画館へ(海外では2023年に公開済)

内容はフィクションだが時代背景は史実に基づいており、第二次世界大戦以前の中国事情を少し知っておかないと、話の筋が見えにくいと思う。

解説

「花様年華」「インファナル・アフェア」などの香港の名優トニー・レオンとテレビドラマ「陳情令」でブレイクした中国の若手俳優ワン・イーボーが共演し、第2次世界大戦下の上海で暗躍する中国共産党・中国国民党・日本軍のスパイたちの攻防をスリリングに描いたノワールサスペンス。

中国・汪兆銘政権の政治保衛部に所属するフーは、中国共産党の秘密工作員だった男ジャンの身辺調査を行う。フーは中国国民党に転向するというジャンから共産党幹部の情報を聞き出すことに成功する。1941年、上海に駐在する日本軍スパイのトップ・渡部は、政治保衛部の主任となったフーやその上司タンと日本料理店で戦局について話す。フーの部下として働くイエは、友人ワンとともに諜報活動に従事していたが……。

トニー・レオンがフー役ワン・イーボーがイエ役を務め、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」のチェン・アルが監督・脚本・編集を手がけた。2023年・第36回金鶏賞で最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・最優秀監督賞・最優秀編集賞を受賞。

2023年製作/131分/G/中国
原題:無名 Hidden Blade
配給:アンプラグド
劇場公開日:2024年5月3日

https://eiga.com/movie/100964/

汪兆銘政権(おうちょうめい)は、1940年3月30日から1945年8月16日にかけて存在した、中華民国の国民政府。日中戦争における日本軍占領地に成立した政権であり、一般に日本の傀儡政権と見做されている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/汪兆銘政権


王一博推しのらん💚85号さんが、1年前に配信で観た感想を熱く語っている。
映画の内容は、そちらの記事が詳しい。


雑感

「身内がオンラインでチケットを取ってくれたので一緒に行った」が、映画館へ行くまでのモチベーション。でも観始めると130分が短く感じられた。

雨のシーンが多く雨に降られるが故の人物の仕草、全体的にトーンを落とした映像が、スパイ映画の雰囲気を醸し出している。

ロケ地の多くは上海市内だったらしい。
上海は出張で春夏秋冬、一通り滞在したが傘を差した記憶は冬に「蟹王府」へ行った時くらい。
撮影で雨を降らせる(水を降らせる)のは大変だったと思う。

この映画は物語の時系列をバラバラにし、再構成した映像をまとめたところに特徴がある。その手法は「パルプ フィクション」のようにエピソードを並び替えるのではなく、各エピソードを途中で切った上で再構成しているので、注意して観ないと内容が分からなくなる。

130分の中で注意力と記憶力が必要。
最近の映画はハリウッド映画も含め、作品の中で説明が多過ぎる感じがしていたので、飽きずに観ることが出来た。

当時の時代背景については、拙作「安定を重視して就職したつもりの会社が・・・ブラックな地球防衛隊?だった件」に、1921年(上海を訪れた芥川竜之介とニアミスする「上海游記」)を舞台にしたエピソードがあり、その前後の歴史(租界の様子等)を少し調べたことがあるので理解できた。
その僅かな知識はエピソードの中で、中国人能力者/張玲(ツァン リン)が、日本人能力者に説明する形で物語を進めている。

リリースしてから時間も経ち、忘れたことも多いが、一言で言えばこんな世界。

「当時の上海は、上海租界と呼ばれる外国人居留地で、多くのイギリス、アメリカ、フランス、そして日本人が住んでいました。中国(清朝)からは、ほぼ治外法権の地域で、租界に住んでいる人の多くは中国人でしたが、彼らにはほとんど何の権利もありませんでした」

094.出社 第3週 優衣の初ミッション その3



映画の中で描かれる日本人像に、さほど違和感は感じなかった。
かつてハリウッド映画が描いた日本人像の様な乖離はない。

日本で公開されたばかりなので、最寄りの映画館で観ることができると思う。


MOH

 
 

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