知っている人には、当たり前のことなのかもしれない。
私はこの小説を読むまで知らなかった。
この記事を読む前に知っておいて頂きたいことを、本文から引用させて頂く。
読んでいて、いろいろ考えされられる物語。
著者のバックグラウンドが気になり、調べてみた。
読んだあと、NHKドラマになっているのを知った。
なので、まだ観ていない。
Kindle Unlimited 対象図書。
note内で検索すると、小説のドラマ化に関わられた脚本家・舞台手話通訳者である米内山 陽子さんの記事を見つけた。
米内山 陽子さんご自身も「CODA:Children Of Deaf Adults」。
このドラマの制作統括をした方の記事はこちら。
原作小説とドラマの相違点、これらについての深い洞察はこちらの記事で。
小説の感想(と少しのネタバレ)
小説を読後、上に引用した記事を読んでしまうと、私が今さら「内容について云々」の感想は書きづらい。
今迄ろう者の方に接する機会はなく、手話もメディアでしか見たことがないので、書かれている内容は知らないことばかり。
この小説はそんな読者に物語を通して、ろう者と彼らを取り巻く環境について上手く説明しており、小説を読みながらその世界の知見を多少なりとも得ることが出来る。
ここから先は「ミステリー小説」としての感想。
物語の始まりは、一般の人とは違う環境で育った主人公の説明。
警察官を辞めた理由が、所内での手話通訳に関わることかと思ったら、そうではなかった。警察官的には大変な理由で辞職した訳だが、物語的にはこれが必要だったのかどうか。
バツイチ同士の元同僚との付き合いについては、物語の後半で一つのキーとなるが、少し無理を感じた。
他にも物語が展開していく中で、やや不自然さを感じる主人公の行動もあるが、デビュー作で何より、ろう者が障がい者としてではなく物語の中で重要な役割を担うミステリー小説に仕立て上げたところが、多くの方から評価されたのだと思う。
「デフ・ヴォイス」はシリーズ化しており、最新の4冊めはこちら。
この小説に書かれた世界を知らないのであれば、読んでみてほしい。
最後に再び「あとがき」を引用させていただく。
no+e というメディアを介して、出来ることは何だろう?
MOH