Cockneys vs Zombies(邦題:ロンドンゾンビ紀行)2012年英国映画/ゾンビが紀行文を書く物語ではない
邦題もここまで来ると、別の意味でウケを狙っているとしか思えない。
イーストエンド・オブ・ロンドンで、突然ゾンビが大量発生し、主人公たちがドタバタするコメディ。
雑感(ネタバレあり…ネタはあまりない…)
Opening credits と Credits rollを除けば、1時間ちょっとの作品。
Amazon プライムで気軽に観ることができる。
この映画、上映当時は批評家から好意的に受け取られたようだ。
舞台はイーストエンド、いわゆる治安の良くないロンドンの下町。
職につけない若者、街の再開発で取り壊しになる老人ホーム、イラク戦争に従軍し大量の武器をコンテナに隠し持つ元軍人。
映像の中でやっていることは破茶滅茶で、映画の設定もユルユルだが、登場人物たちの置かれた環境が現実的なところに共感があったのかも知れない。
襲ってくるゾンビがトロすぎて(歩行器が必要な老人にも追いつけない)、老人からガーデニングツールで攻撃されたりするが「ゾンビは死人なので(鈍く)走れない」という登場人物の言葉に、妙に納得😊
考えてみれば、バイオハザード以降、俊敏なゾンビが映像の中を縦横無尽に駆け回るが、ウイルスのブーストが掛かっているとはいえ、生前以上のパフォーマンスを出すのには無理がある。
リアリティを求めれば、このコメディ映画のゾンビ像が正しいのかも知れない。
主人公たちはロンドンバス(2階建バスのデザインが最近のものだと思うけど、後方にある解放式乗降口は20世紀のものと同じで、そこからゾンビが乗車しようとする)を運転してゾンビから逃げ回り、小さなユーティリティ船でテムズ川に出るところでクレジットロール。
祖父のいる老人ホーム存続のために、銀行強盗をやらかす若者。
ゾンビを身の回りの道具でやっつけてしまう、老人ホームの老人たち。
このユニークな設定で、最後まで見飽きない。
一風変わったロンドンの下町見物として観ることも出来る。
ただ、登場人物たちは” Cockney ”を話さない。
セリフは “ English English ”(not American English)。
MOH