Book review:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/Shout to the Top!
単行本で出版されてから2年ほど経ち、60万部売れたそうなので読んだ方も多いかと思います。
ココnote.comで検索すると、既にたくさんの方が書評を書かれています。
(この本のタイトルでnote検索すると100以上)
今更とは思いながら、今月のKindle Unlimitedに入っていたので、備忘を兼ねて感想以外のお話をメインに投稿します。
noteの、MOHの映画評・書評は、自身の外部記憶装置になりつつあります😅
どんなお話?
人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧……。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、でも、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。優等生のぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。(Amazonの紹介)
目次
はじめに
1 元底辺中学校への道
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること (注:MOH:empathy)
6 プールサイドのあちら側とこちら側 (注:MOH:階級社会)
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン
解説 日野剛広(ときわ書房志津ステーションビル店)
(Amazonの紹介)
Book review
この本を読むまで、著者の『ブレディみかこ』さんという方を全く存じ上げなかったのですが、Amazonで調べてみると共著も含め日本語の本を30冊以上出版済みの作家さんです。
wikiには『(Brady Mikako、1965年6月7日 - )イギリス・ブライトン在住の保育士、ライター、コラムニス』とあります。
http://www.ele-king.net/writters/brady_mikako/
ココに ↑ 本人が書かれた文章がいろいろあります(UKロックが多い)。
普通はこの辺から『読書感想文』を書く段取りなのですが、もうたくさんの人が書かれているので省略😊
心に残ったのは、エンパシー(empathy)と、シンパシー(sympathy)の明確な違い。
おそらくネイティブな日本人がempathyを本能的に理解するのは難しく、その能力を獲得するためのトレーニングを国内で受けることは、ほとんど出来ないと考えます。
もう一つ強く感じたのは、歴然とした階級社会。
この本の所々に、サッチャー政権の話が出てきます。
イギリスでは1984年から1985年にかけて、炭鉱の大幅な合理化案に反対する全国炭鉱組合による大規模なストライキが行われましたが、それに強硬な姿勢を示すサッチャー政権の前に、組合側は全面的に敗北しました。
The Style Council の “Shout to the Top!” がリリースされたのは、まさにその頃。 彼らのこの曲がヒットした理由が少し分かるような気がしました。
(彼らのバックの絵は、炭鉱労働者とそれを取り巻く警官たち)
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
MOH