『新世界より/貴志祐介(著)』をKindleで思い出し 『エンタテインメントの作り方/貴志祐介(著)』を読んでみる
この物語、文庫本になってから書店で上中下巻を買い求めたと思う。
Kindleの注文履歴を見ると、時を置かずに(2012年10月)3巻の注文履歴が残っている(扉絵はその表紙)。
何故、そのような買い方をしたのかは不明。
今は合本版がある。
コミック、アニメにもなっている。
チラ見したことはあるが、原作イメージとの違いを感じて観ていない。
この物語が気に入り貴志祐介氏の著作を何冊か購入したが、読了していないはず。
『青の炎』『黒い家』『クリムゾンの迷宮』『天使の囀り』
確認すると購入後、どれも Kindle Unlimitedになっていた。
感想
この小説は読了してから時間が経つが、上の解説を読むと物語が頭の中に蘇る。
当時、舞台となった神栖市に所用で度々訪問していたのが、読み始めのきっかけだったと思う。
当たり前だが現地は小説とは異なり、鹿島コンビナートが税収の柱となる人口10万人の地方都市である。
東京駅から高速バスで90分の距離(鹿島セントラルホテル着)。
小説の始まりは主人公が、能力者による事変を振り返る形で始まる。
幼少期時代に姉が消え、その記憶も消されている。学校に通い始めると友人が消え同じように記憶が消されている。全ては悪鬼予防のための選別。
バケネズミを使役して人間は労働をしていない。
興味のある方は、次のリンク先にある説明が詳しい。
エンタテインメントの作り方(角川新書)
貴志祐介氏の著作欄を見ていたら、興味深い本を見つけた。
小説を書き始めた頃「小説の書き方」タイトルの付いた本はよく手にしたがどれもピンとは来ず、そのあと手にすることはなかった。
考えてみると、当たり前なのかも知れない。
その類いの著者は『××講師』肩書きの方が多く、自身で(話題になる)小説を書いていない。
ライブ(人に聴かせる演奏)をやったことのない人から、楽器演奏を学ぶのと同じで、最低限のやり方を学べたとしても、そこから先は自分で(どう作るのかを)考えなければならない。
この本は『新世界より(第29回日本SF大賞受賞)』という超長編(1000頁超)作家が書いたハウツー本というよりも、自身の小説の書き方を整理してまとめたものだと思う。
読んで『うん、うん。そこはそうだよね』と納得するところも多い。
総じて生真面目な作家さんであることが伺える。
小説を書いていく上で、特別なことはしておらず「コツコツ」と地道に物語を作っていく姿が書かれている。
出てくる説明事例が、書いた小説の振り返りで(『新世界より』を1000年後の未来にした理由とか)、読んだ本の舞台裏が分かる面白さもある。
参考までに「第一章 アイデア」の目次を上げておきたい。
『読めば小説の書き方が劇的に変わる』とは思わないが、エンタメ系の文章を書く方が読めば、物語を構築していく上での気づきにはなると思う。
MOH