良い経営をするためにMBAは役に立つか
「良い経営をするためにMBAは役に立つか」、この質問に対して、私(モハP)の考えをお伝えしたいと思います。色んな意見があると思いますが、私は、MBAは経営にとても役立つと考えています。
質問のなかに、「AIが進化するなかで、知識を詰め込むものに時間やお金を使うということが、本当に必要なのか」という話もありました。AIが進化するなかでも、私はMBAを取得することだけではなく、人間が知識を得ることについても、重要であると考えています。
なぜMBAを取得することが重要だと考えるか、そしてAI時代のなかでも引続きそれが重要であると考える理由などについて、ご説明致します。
経営とMBA
まず、良い経営をするためにMBAが役に立つと考える理由についてです。この質問を下さった方は、MBAを取得するか迷っていたり、MBAを取得しても良い経営者になれるわけではないということを感じて、質問なさったのかもしれません。
これはMBAを取得しようと考える人や、将来的に経営者になりたい多くの人が考えることでしょう。
経営者とMBA
実際、MBAを取得したからといって、かならず素晴らしい経営者になれるわけではありません。MBAは、免許みたいなものではないので、それを取得したら十分な能力を有しているとか、そういうものではありません。ですので、MBAを取得していなくても、優秀な経営者は沢山いるし、MBAを取得していても、あまり優秀ではない経営者もいるでしょう。
それでもMBAを取得した方が良いと考える理由はなにか。
端的に言えば、経営課題を解決するための引き出しが増えるからです。MBAを取得している経営者と、そうでない経営者、両方いるわけですが、経営者はみんな、なんらかの経営課題を抱えています。うまくいっている会社でも、そうでない会社でも、どんな事業でも課題があります。経営者として、すべてを上手く対応できるなんていう神様みたいな人はいません。ですので、すべての経営者が、何かしら壁にぶつかっていると言っていいのではないかと思います。
そうした壁にぶつかったとき、MBAコースを受講していたら、簡単に乗り越えることができる壁だったということもあるでしょう。MBAコースには、経営に必要な様々な内容がつまっています。それらを知らないで経営をするのと、知っていて経営をするのでは、壁にぶつかったときの対応として、大きな違いが生じてくると思っています。
私の経験
私も実際に、いろんな経営者を見てきて、この経営者は、こういう知識ないんだろうなとか、昔MBAコースでこの分野の講義やったな、なんて思うことがあります。
過去に別の人が同じような課題に直面したときに、どのように対処したか。その対処方法について、すでにまとまったものがあるなら、それを知っておくことは非常に価値のあることです。このように、過去の人達の経験に基づいた知恵を学ぶという意味では、本を読むことと似ていると言えるかもしれません。
専門分野以外の知識
そして、MBAコースで取得できる知識のなかで、特に専門分野以外の知識という点においては、経営者としてチームを作っていくなかで、役立つと考えています。経営者になると、当然、1人で仕事をするだけではなくて、社員を雇ったり、外部に委託するにしてもチームを作って仕事をする機会が増えます。自分ひとりで全部やるのではなくて、いろんな分野で高い能力を持った人を集めてきて、チームを作っていくことで、より大きな成果を上げることができます。
そのときに、チームのなかのすべての人がやっていることを、経営者が熟知することは難しいですが、ぜんぜんわかりませんでは話になりません。チームを作っていくには、それぞれのメンバーがやっていることのポイントを理解して、それを評価したり、さまざまな解決策を打ち出すことが必要になります。そして、そうしたいろいろな立場の人たちと一緒に仕事をするなかで、相手を説得する力、わかりやすく説明することは非常に重要で、そうしたことができるには、やはり基礎的な部分についての理解が非常に重要でしょう。そうした意味で、MBAコースで学ぶことができる幅広い知識は、非常に役に立つと思っています。
私自身は、特に、自分の専門分野ではない会計学、マーケティング、不動産投資、プレゼンのやり方まで、幅広い分野の知識を、MBAコースで学ぶことができたことが、今でもすごく役立っていると感じています。
経営とAI
そして、チームを作るのと、AIを使うのも似ていると思っています。AIというものについて、しばしば正しく理解されていない場合がありますが、AIはすべての答えを出してくれる万能なものではありません。企業のオーナーが、AIに経営を任せる時代が来るということを考えている人がいるかもしれませんが、オーナーは経営のことなんてわかっていない場合が多いですから、そうなると、その企業の経営のことをAIしか理解していないみたいな状態になるということです。
AI時代の経営者
AIがどのような理由で決めたかもわからない判断について、オーナーはその責任を負うのでしょうか。それは難しいと私は思っています。ですので、AIという道具を使う経営者が必ず必要になるでしょう。AIは経営者をサポートするツールにはなるかもしれませんが、AI自身が経営者になることはないと考えています。
そういう意味では、AIを使う経営者は、やはり経営について理解しておく必要があります。サポーターであるAIが導く方法が、適切なのかを評価し、それをうまく使っていくこと。AI時代の経営者には、AIも含めたチーム作りができる能力が求められていくかもしれません。
私がMBAを取得したのは10年以上前なので、最近のことはわかりませんが、こうしたAIなどを活用する分野も、MBAコースで学ぶような時代になっていくのかもしれません。
以上、「良い経営をするためにMBAは役立つのか」にお答えしました。TeamモハPの意見も参考にしてみてください。
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