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ディズニーがDEIより楽しさ重視へ回帰

◉DEI───diversity・equity・inclusion=多様性・公平性・包括性のことですが。そこに配慮した結果、多様性も公平性も亡くなったんですから、本末転倒。当たり前ですよね、ディズニーはエンターテイメントを提供する会社であって、政治的な正しさを伝道する団体ではありませんから。

現実問題、そうやって政治的な正しさを推進したら、逆にサイレント・マジョリティからの支持を失い、興行的にも苦戦が目立ちだし。トランプ政権の再登板でようやく、ポリコレ派に忖度する必要がなくなった、ということでしょうかね。

【米ディズニー、動画配信最新作から「性自認」エピソード削除 DEIより「楽しさが一番」】産経新聞

 動画配信サービス「ディズニープラス」で19日から独占配信されるピクサー最新作『ウィンorルーズ』(全8話)を巡り、出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーに関するエピソードの一部が削除されたと米メディアが伝えている。

 米社会でLGBTQ(性的少数者)への行き過ぎた配慮を疑問視する声が強まり、トランプ新政権が「多様性・公平性・包括性(DEI)」施策を見直す中、ディズニー社の最高幹部は「楽しさが一番」と〝原点回帰〟の姿勢をみせているという。

https://www.sankei.com/article/20250218-THJP3JEMWVD6ZHHY3V6EWUZVKE/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ふしぎの国のアリスと占いの話のイラストです。


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■エンタメとポリコレ■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。LGBTQ(Lesbian・Gay・Bisexual・Transgender・Queer)とひとまとめにされますが、LGBの側からはTやQは別だろうと、疑義も上がっていますし。そこを推し進めると、ペドフィリアとか性的指向の少数者も含まないと筋が通らないことに。

また、少数民族や少数人種を差別するなと言いながら、現実には黒人を大学に一定数合格させる結果、黒人よりもっと少数のアジア系の学生が、高得点なのに有名大学に不合格になったりという、看板に偽りありが指摘されてもいますしね。恣意的な運用で、気に入らない人間を叩くポリコレ棒と揶揄される由縁。

そもそも、政治性を全面に押し出す作品は、エンターテイメントとして二流で。記者から、作品のテーマを一言でと問われた黒澤明監督が、一言で表現できるなら映画は撮らないし、そこら辺でプラカードでも持って訴えるよと、返したそうですが。けだし名言。

実際、『七人の侍』は1954年に発表されたのですが、これはもう一つの日本映画の代表『ゴジラ』と同年。両作品とも、2年前のサンフランシスコ講和条約を受け、GHQの当地が終わって国際社会に復帰する日本の、前者は戦後処理の、後者は東西冷戦への懸念が、根底にありますが。極上のエンターテイメントです。

■風見鶏に振り回され■

何度も書いていますが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の怪獣映画『プルガサリ』は、拉致された韓国の申相玉監督作品ですが。一見ユーモラスな怪獣映画に見えて、実際は金日成と北朝鮮の体制批判を、忍ばせてあったわけで。トンデモ映画『新聞記者』とは、覚悟のレベルが違います。

もし金日成初代将軍様や金正日二代目将軍様が、申相玉監督の真意──李氏朝鮮や日程打倒には功績が在ったが、今は迷惑な存在で自主的に消えてくれ──に気づいたら、公開銃殺刑だったでしょう。いくらトンチンカンな批判しても、笑って受け流していた安倍晋三元総理とは、凶暴性が違う世襲独裁国家です。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、削除が決まったのは昨年夏。ディズニー社は、今年1月のトランプ政権の発足を見越してDEIから距離を置いたのかというCNNテレビの取材に対する直接的な回答は避け、性自認など「特定のテーマに関して多くの親は自らの言葉とタイミングで子供たちと話し合いたいと考えている」と説明したという。

ただ、逆に言えば政権交代によって、風向きがコロッと変わるアメリカや、欧州の状況って怖いなとも思います。そんなものに対して、「欧米では~」の出羽守の言説を信じて、振り回されることの愚かしさ。国連の方から来ました詐欺も含めて、もう多くの大衆は辟易してる部分もあるでしょうね。

トランプ政権が、イーロン・マスク率いる政府効率化省(DOGE)などで結果を出せば、4年後にも共和党政権が生まれ、12年間の共和党政権の可能性もあり。そこで、状況は変わりそうです。少数派の権利や差別回収は大事。これは自分も大いに賛成です。でもそれが逆差別になっては、本末転倒です。

■正しさの押し売り業■

けっきょく、政治的正しさの仮面を被った、自分たちの主義・主張・思想・宗教……の、押し付けが行われている危険性。反捕鯨運動とかも、科学の仮面を被りながら、その内実は宗教的な思想や道徳観が背後にあり、それを押し付けようとしているのではないかという、疑念がつきまとうわけで。

自分たちは正義で、その正義の教を伝えてやるのは、無知蒙昧な人間や蛮族にとっても幸せなことだという、上から目線の押し付け。一神教というのは本来、そういう情熱が核にあり。ただ、長い歴史の中で、世俗や科学と妥協し、角が取れていきのですが。ネオ宗教とも呼ぶべき側には、その歴史がないので。

 その後、DEI推進の在り方は政治問題化した。幼稚園児や第2次性徴を迎える前の小学校低学年の子供にまで性自認の問題を教えて「Woke(目覚め)」させようとする急進左派とこれを否定しない民主党政権への違和感は多くの有権者に共有され、昨年の大統領選でDEIの行き過ぎを批判した共和党候補のトランプ氏の勝利を後押しした。

もちろん、こういうのはまた反動もありますから、トランプ政権でも行き過ぎた動きが出るでしょう。そういう時に、是々非々で批判を加えないと、暴走は常に起きますので。


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