シェア
め
2016年4月8日 22:47
早退をした次の日。私はいつもと変わらない時間に起きて、歯を磨き、顔を洗って、朝ごはんを食べた。そしてきちんと学校に行った。 休んだらナツミに負けるような気がして、それだけは絶対に嫌だった。 緊張で指先がぴりぴりと痺れていたけれど、その手でドアを開け教室に入る。一緒に行動している友達たちは私の体を気遣いながらも、何事もなかったような変わらない態度で接してくれた。彼女達からは、私が昨日帰った
2016年4月15日 12:05
栗ご飯が好きで、牛乳が苦手だということ。すぐに謝る癖があること、跳び箱が飛べないけれど、理科と数学が得意で家庭科の授業が苦手なこと。リレーの選手に一度も選ばれたことがなくて、でも美術の賞を何度か表彰されていること。栗毛の髪の毛は触ると柔らかくて、手のひらが意外と大きいこと。美術部に所属していること。 これだけ。 私が知っているタケオのこと。 謎に包まれているわけじゃない。私がタケオに
2016年4月22日 08:23
金曜日だった。私は今朝歩いた通学路をなぞるように帰っていた。 今日はお姉ちゃんと、その彼氏のイツキさんが家に来る。私の憧れ。素敵な世界を持つ大好きな二人。私はどうしてもそれが欲しい。誰にも邪魔されないキラキラとした世界一人ではどうしても手に入れることができないから、私はタケオに告白をした。 彼は今日も部活があるようだった。聞けば部員は5人だけしかいなくて、そのうち4人は幽霊部員らしい。実