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ちいさな美術館に勤めるということ

久しぶりのnote
この作品はリオタールというオランダの画家のものだそうです。
北欧の画家、全く詳しくありませんが、知らない作品を観て好きだなと思ったら、作者が北欧の画家だったということがたびたびあります。

ちいさな美術館の迷える社員

ここ最近常に何かに追われていたり、(決して忙しくはないのですが)不安感が強く、精神的に何かを生み出す余裕が全くないです。


美術は…私にとって、能動的に楽しむ趣味です。
今は自分の人生にできる限り、100%能動的にならざるをえない状況のため、趣味に関しては受動的でしかいられません。気力がない。

私は今、美術館に勤めています。
と言っても、本当に小さくて、ささやかな美術館です。
私を含め、誰も学芸員の資格を持っていません。ここまでいえば、どんな美術館なのか、詳しい方は想像できるのではないでしょうか。

私は職場が好きです。
お客様が少ないときは、息抜きにこっそり持ち場を抜け出して鑑賞していても良いし、こんなところで働けるのは幸せなことだな、と思います。
忙しいと大変だけど、なんだかんだで、たくさんの人がこの美術館を求めて下さるのは嬉しいです。
職場の人間関係や業務内容についてひどく悩んでいた時期がありましたが、今では自分の在り方でどうにでもなるなぁと思っています。
ちゃんと、苦手なことも、得意なことも、してみたいことも、周囲に伝えることでどうにかできると知りました。
スタッフはみんな基本的に優しいですし、私も彼らに優しくしたいな、と思える人たちです。
勤めて数年が経ち、私が自由にできることも増えてきました。
コロナの影響もあってここ数ヶ月で、色々とより良く変化しようとしているこの職場に愛しさを感じています。
この美しい場所を守ることに貢献したいし、私たちの管理で、もっともっと人の心に響く美術館にできると確信しています。

書いていて驚きですが、思った以上に私はこの職場が好きみたいですね。

ただ、ささやかな美術館ですから。
給与の面で生活が厳しいし、キャリアも積めないので、転職しなくちゃ、と思ってここ1か月くらい本格的に転職活動していました。

でも、やめますね。転職活動。私はまだここにいたいみたいです。今はっきりと確信しました。読んでくれていた方もそう思われましたよね。きっと。

そんなに好きなら転職なんかしないほうががいいよって。

一応、転職が難しければ、仕事終わりにアルバイトをしようと思って応募しているので、正社員とバイトの掛け持ちをします。ダブルワーク。
残業が全くと言って良いほどありませんから、体力的には余裕があります。

私、社会人としての価値、ありますか

私の同級生や家族はどちらかと言うと、しっかりとした仕事をしている人が多いです。
誤解を生みそうな表現ですが、いわゆる公務員とか、お医者さんになる人とか、介護士さんとか、大手勤務の人が多い。結婚して子供がいる人もいます。

でも私は、中小企業、薄給、独身、実家暮らし…
友人に会うのが日に日にしんどくなっていました。
自分と周りを比べずにいられませんでした。

私だって、もう少し収入が欲しいし、貯金したいし、社会貢献度の高い仕事がしたい。
そうすることでプライドを保ちたいし、人に頼られて、やりがいを感じたい。
美しく生きて、好きな人に求められて、結婚して、子供を産んで、親を安心させたい。そうすれば幸せになれるはず。
美術館なんて、なくても生きていけるものだから、こんな場所に勤めている私のことをみんな馬鹿にしているんじゃないかとすら思っていました。
とても失礼ですよね、こんな考え方。不安が故にネガティブで僻みっぽかったです。

したいことの何もかもが達成できていなくて、自分にいら立つ日々。
だから転職しようと思いました。
“今より給与が良くて、自分にできそうな仕事“を探して、先日一件、面接に行きました。
自分らしい面接ができたけど、どこか違和感を感じて、複雑な気持ちでした。
私のしようとしている転職は、コンフォートゾーンから出ることになるので、恐怖を感じたり不安感を覚えることは当然だと思うのですが、それとはまた違うような、胸のモヤモヤ。


なぜかわかりませんが、転職しようと思い始めてから、今の仕事がどんどん楽しくなり始めました。
頼まれることも増えて、私が自由に意思決定できることも増えました。
でも給与低いし、賞与はこれまでほとんどないし、次から出す、昇給もするって社長はおっしゃるけど、給与を理由に辞めていった先輩が多く、尊敬できる先輩が居ないし、長くいても今後のキャリアが不安になるだけ。

どうしようどうしよう。

悩んでいます。
悩んでいました。
でも今わかりました。自分はどうしたいのか。

この美術館に勤めている私っていいな

私は何よりも、「自分らしく生きて、自分らしく社会に貢献したい」と思っています。
今の職場では、それができます。
ずっと自分らしく生きたいと願っていました。
自分らしさって何だろう?どうやったら自分らしく生きれるかな?と、模索していたけど、今の職場に一つ答えがありました。

この美術館がより良くなるために、努力すること、そのために自分を日々成長させていくこと。

私は美しいものが好きだし、この美術館にお越しになる方には癒されて欲しいし、知を感じ喜んでいただきたいです。うまくまとめられないけれど、とにかく、この美術館に何か貢献したいという気持ちがすごく今、あります。

キャリアに対する不安は自分の勉強次第でどうにでもなります。
尊敬できる先輩はいないけど、尊敬できる知人や友人はいるし、自分で動くことで、つくることができます。


何より、夢も希望もないように見えるこんな世の中で、好きだと思える職場に勤められていることは、この上なく贅沢なことですよね。幸せ者だ。私。


夢と現実とお金のバランス

でも、お金がなくては生きていけませんし、自己表現にも限界があります、愛するものも愛せない。
だからやっぱり長期のアルバイトします。大丈夫、やれます。(これまでもしていたんですが、単発だったのでかなり不安定でした)
一応、今年昇給がある予定なんですが、その前にちゃんと昇給してください、その分の仕事はしています、と言えるような自分になれるようこつこつと積み重ねます。


借金も返済したいし、一人暮らしもしたいし、パートナーも欲しい。
焦らず、でも“自分の好きなペースで生きる“ための努力はしていきます。

とはいえ、今の仕事がかなり情勢に左右されやすい不安定な職業だということは現実です。今後何かあった時のために、役立つ資格を取ったりしておくのは必要なことだと思います。
個人的に最優先は一人暮らしなので、早くバイト始めて、貯金返済しますね。

そういえば、返済できるだけのお金は貯まりました。
我ながらすごいなとは思いますが、何より実家暮らしの恩恵がすごい。
親には感謝しかありません。申し訳ない…早く出ていきたいです。
早く彼氏作れと言われています。母は背の高い男が良いらしいです。

話がそれました。

とりあえず、現金は大切だから、念のため今すぐまとめて返済はせず、もう少し多く貯蓄したら一気に返します。毎月1.5万くらいは返してるので少しずつ減っていますし。


自分らしく生きるって?

重い腰を上げて書いて良かったです。
気づきがありました。というか、もう気がついていたことにはっきりと自覚できました。やはり文章にするというのは良いですね。私にとって必要なことのようです。

自分らしく生きる
この答えってたくさんあると思います。
これまでに積み上げてきた自分らしさと、失ってきた自分らしさ。
失っていた自分らしさに気が付いて、拾い上げて、大切に抱きしめたとき、私自身がものすごく輝けるんじゃないかな、と思います。

私はお医者さんじゃないし、お母さんでもないから、そういう観点から見たら、大した生き方をしていないのは明確だけれど、諦めというのも人生には大切です。
だって今すぐお医者さんと同じくらい社会貢献度の高い仕事に就くことはほぼ不可能ですから、そんなことで思い悩むのは意味のないことですよね。



今の私の人間としての売りは「自分らしく生きているし、今後もさらにそうしていく」というところなのかもしれません。

改めて、今の職場に出会えたことに感謝です。
まとめると、小さい企業でも、楽しく生き生き自分らしく働けるなら、それが私にとって1番だという話でした。


コロナで大変だけど、末長くこの職場が続いていくように、私はできる限りの努力をします。
楽しみながら、愛を持って逞しく生きるぞ。

それでは。

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