適応障害〜休職中のあれこれ⑥〜
前回の続き
適応障害発症、休職4ヶ月目、実家での療養を続けていたところに入った妻からの急報、「コロナに感染」。
それまでうつ症状により身体も動かずやる気も出なかった私が、まるで空を飛ぶかのように動き出したところから今回の記事を始めよう。
妻からの一報が届いたとき、実は私は父母、姉家族(義兄、姪、甥)と温泉(子供が楽しいプール付き)に行っていた時だった。
温泉に行く数日前に、姉家族が実家に帰省してきており、温泉に行くことは前々から決まっていたそう。
私はおまけでついていって、甥っ子(当時5歳)に何十回もウォータースライダーのおかわりをおねだりされて、抱っこして滑ったものだからぐったりと疲れてしまっていた。(もちろん、姪っ子も甥っ子も可愛すぎて大好きであるが、うつ症状があると・・・ご想像通りである)
そんな矢先の妻からのヘルプの連絡だったものだから、すぐさま飛行機のチケットを取り、翌朝にはちゃんと姪と甥にハグをして、それまでのうつ特有の鈍い動きではなく、なんとこスムーズでスピーディーな段取りで自宅へと飛んで帰っていったのである。
無事、妻を病院へ連れていき、当時はコロナ陽性で10日間自宅待機だったものだから、私もつきっきりで看病した。
食料の買い出し、料理、洗濯、なんでもやることができた。
それまでの自分が嘘だったかのように。
こう考えると、うつ症状の患者さんは自分の「やりたい」と思えることに対しては、力を発揮できるので、完全に何もできないわけではないのだろう。
もちろん、症状が強い時は本当に風呂にも入らず携帯すらも触りたくないような状態だったが、ある程度症状が緩和すると、このようにできることが増えてくる。
妻のコロナ療養期間も終え、その頃は時期的にもちょうどお盆の時期だったので、妻も少し長く休むことができた。
ここで、妻とふたりで、キャンプに行ってみることにしたのである。
きっかけはなんだったか?あまり覚えてはいないが、
実家で自転車旅について調べていたときに、キャンプについてのYouTubeも見ていたからだろうか。
妻がコロナ療養中も、当然二人とも自宅待機だとヒマなので、ふたりでキャンプYouTuberの動画を見たりしていた。
妻はおそらくだが、私が「何か興味のあるものが出てきたら、全力で応援する」と決めていたのではないかと思う。
だって妻は大の潔癖症で、キャンプ場のトイレなんてもってのほかだし、虫に1ミリも触ることのできない人である。
そんな妻が、キャンプ行ってみようか、と言ってくれたのである。
本当に頭が上がらないのである。
8月、2回ほどキャンプに行くことができ、夫婦でハマってしまうことになる。
特に、焚き火の時間は格別である。
何もしたくなかったはずの自分が、焚き火を起こしてじっとそれを見つめる時間を持てるのである。
おすすめの治療法の一つである。
ただ、私が本当にやりたかったことは「自転車旅」。
1泊2日で終わるようなものでなく、無計画に、自由気ままに旅をしてみたい。
その想いは変わっていなかった。
2週に1回、病院の診察を受けていたので9月頭に主治医の先生に相談してみた。
「1週間程度、一人で自転車の旅に出るというのはまずいでしょうか?」と。
私の主治医の先生は、特に厳しいとかそういうのはなく、
「やりたいと思えたなら、いいんじゃないですか?ちゃんとご家族と話し合ってくださいね」と言ってくれた。
よし。
次回、
札幌から東京、自転車の旅、開幕。