適応障害〜休職中のあれこれ⑧〜
前回の続き
適応障害発症後5ヶ月目に、自転車で旅に出た2日目から
湖の湖畔でテントを張り、深夜には暴風と波が近づいてくる音でなかなか眠れなかったが、
なぜか気持ちの良い朝だった。
「一人になりたい」
そんな想いが募って実行した旅。
自分の思う通りに行動することが
どれほど自由に感じるか
心が安らぐか
ただ、やはり休職中の身であるため、後ろめたさももちろん考えていた。
この頃も、毎日のように自分の関わってきた人たちの顔が浮かび、
罪悪感と闘っていた。
教え子たちのこと、恩師のこと、同僚の先生方のこと、ともに切磋琢磨していた仲間たちのこと、
まさに”寝ても醒めても”浮かんでいた。
しかし、旅に出て、
ただただ自転車を漕いでる時間、
ただただ湖を見つめている時間、
ただただ火を見つめている時間、
ようやくぼーっとすることができた気がした。
2日目は、湖から苫小牧のフェリーに乗りこむところの、約30km程度の道のりしかなかった。しかもほぼほぼ下りだ。
北海道は信号もないもので、数回漕ぐだけであとはハンドル操作のみで簡単に苫小牧に着いた。
苫小牧のサイクルベースあさひさんで空気をしっかり入れさせてもらい、早速フェリー港へ向かう。
フェリーの乗船手続きは簡単で、現地の受付でも新幹線の切符と同じように購入することができる。
私は事前にネットで予約していた。
フェリーの乗船時間は約18時間。
船内はまるでホテル!
船内には大浴場も完備。サウナもあり。
船の揺れで浴槽のお湯が波打つのも一興である。
コインランドリーも付いていたので、2日間着用した服(そこまで臭くなかったはず)を洗濯させてもらった。
寝床はカプセルホテル式の個室。
まさに快適そのもの。
休職中の身でこんなに贅沢して良いのだろうか、、、
診断書を提出してお仕事をお休みしているはずなのだが、、、
ただ、「旅」は私にとっては必要な行為だ。
適応障害やうつ病の方はなんとなくご理解いただける部分もあるかもしれないが、
何かから「逃げたい」衝動に駆られる。
全てを投げ出したい。今すぐ環境を変えたい。
そう思ってても、なかなか身体が動かない。
だから、家でうつうつとしているときは、
「寝逃げ」または「ネトフリ逃げ」に全力を注ぐわけだが、
この時の私はだんだんと外出もできるようになってきていたもので、
ただ、職場に近づいたり、人の多いところに行ったり、電車に乗ったりすることはまだできなかった。
自転車旅なら、知り合いに会うことも無かろうし、没頭できるかなと。
「逃げるは恥だが役にたつ」というのがあるが、
心の底からこの言葉に感謝した自分がいた。
また、逃げることを許してくれた妻にも、心の底から感謝している。
次回は一気に下船からゴールまで?
続く