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kaoriartworks
[詩]サタン
サタンが冷たく囁いた
第六感とでも言うのだろうか
常識的な価値観を超え
あなたは私との契りを破った
何故と言う言葉を浮かべ
悲憤に襲われて白銀輪を投げた
浴槽に浮かべる空に映る
乱れた身体に吐き気を感じた
女のとしての色香とか久しく
忘れてしまっていたからでしょう
愛を伝える言葉にすら
差異を感じる夜空にも
幾つと数えることを忘れてしまった
結論は不可逆的だから
設問に繋がるヒントは
もう、とっくに無くしてしまった
後ろめたいと言う気持ち
忘れるひととき姦淫の刹那
迸る情熱が淋しい精神を
暖かく包み込むローブのよう
忘却してしまった情欲久しく
巻き戻すカセットテープを再び
愛を伝える仕草にすら
最後の温度の違いにも
白々しい戯曲に変わり果ててしまった
満足することはないと
感動することはないと
もう、とっくに気づいてしまった
瞬きする時も触れ合う時も
名前を呼ぶ時も
その一つ一つにひとひらが
can you love can i love
I will never know the ending
運命がこう仕組まれた?
君命がそうさせたのか
サタンが現今凍てつかせてしまった
結論はファーストキス
設問は白日となって
もう、とっくに晒されていたのだから