第ⅩⅦ章 (最終章)世界の初まりとヘスぺロス・アギーアイランド−2
Vol.2 悪戯のアリストテレス
「ルドラになりたい。」そう決意してから、私は具体的にどうしたらいいのか分からなかった。彼にこの想いを伝えるべきであるか。否か。彼が私にそんなことを言ってしまっても、裁判中の彼は何も言ってくれないかもしれない。ここで、ルドラのなり方なんて言ってしまえば、いやでも証拠になってしまう。そんなことはしないだろう。でも、そんな用意周到な彼がどうして警察に捕まってしまったのかは謎だ。私はウロチョロウロチョロと狭い部屋を歩いた。
「痛いっ。」
私は何か固い