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冬の華


流れる雲は夕闇へと染まり
朽ちてゆく草木は北風にさらわれた

瞬きをするほどの刹那に
あなたの影が私の背中を小突いた気がした

ごめんね、さよなら
もう聞き飽きた台詞に
私は今宵も1人舞台で踊る

白い息が空に浮かんで消えた
儚い想いを重ねては
悴んだ手を暖めてくれるものはまだやってこない

暖かい珈琲の香りが頬を撫でた

交差点の信号が点滅している
あなたへの想いが行ったり来たりしてる

さよなら、ごめんね
浮かぶのはいつも涙で
私の欲しい言葉は聞こえない

殴り書きのキャンバスにまだ
深い藍を重ねている
世界の寒さとに抗うように街は彩りを添えられて

寒空の下で星達が私を誘うの

鯨の唄が冷えた荒野に響いた
まつ毛の先まで凍えるような儚さで

白い雪が空から舞い降りる
妖精のような魔法が
震える心を暖めて欲しい

積もった想いも雪も振り払って進む

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