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今 見えているモノ 解離


今見えているモノのすべてを疑ったことがあるだろうか

目の前の椅子が本当にあることをあなたはどうやってあなた自身に証明できるというの

椅子にもし触れることができれば

手に触れた椅子の感触が確かに ある ことをあなたは疑わないだろう

触れることができなくとも

ただ目の前に見えている椅子の存在を疑うことを 

普通はしないだろう


見えるものだけを信じること に偏りすぎた世界に生きられなくなった

何にも情愛を抱けそうにない私がいることを強く知覚している


一時の寂しさに押しつぶされる経験それ自体は風化すれば

煩わしいものがないことの

安堵に満ちてくる


意識は脳機能の一部に過ぎない


「意識は身体をどう把握するのか」


意識は身体から発生する



意識は身体をどう取り扱うか


私の脳はこの体を私のモノだと思っていないようだ

なぜなら私の体はいつ時点からか「存在していない」と脳は認識しているようだからである

私の脳は私の身体がここに在ることを認めたくないらしい


何かを感じ 何かを考えているように振舞っていても

脳からすれば私の実体は存在しないらしい

私の脳はそう認識しているらしい


この奇妙な感覚をあなたに伝えることはできそうにないけれど

あなたが私に触れることができるのなら

私は確かに在るんだろうね




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