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心のよりどころ
『はじめまして』の記事でも書いたが、小学生の時に同じクラスの人からいじめをうけていた。
それをきっかけに学校にも行けなくなっていった。
それを気にした家族が近くの博物館によく連れて行ってくれた。
平日の誰もいない博物館に2人きり。
なんて贅沢な空間なんだと小学生ながら思っていた。
それから実は、家よりも学校よりも博物館が落ち着く場所になっていた。
落ち着く場所が博物館のまま、中学生になった。
2年生になり職業体験が始まった。
体験出来る場所はある程度限られてはいたものの、そこには私が救われた博物館があった。
私は迷わず選んだが、担任の先生から
「一緒に行く人、この人たちだけど大丈夫?」
と聞かれた。
(担任の先生とは放課後に雑談をよくしていた。私が誰を苦手なのか話したり、先生同士で旅行したことや、職員室で盛り上がってことなども教えてくれて、今でも連絡をしてくれる恩師だ。)
たしかに、苦手な人たちが集まっていた。
しかし、今までに経験した1番辛い時期に助けてもらった場所のことを知らないでどうするんだ、という感情の方が上回り、
「1日だけだから大丈夫!」
と言い切り、当日を迎えた。
当日までに学芸員のことを色々調べたが、やはり文章だけ並べられても中学生の私は分からないことが多かった。
一緒に体験をする同級生、初めて会う学芸員の方など心配なことが多かったが、それよりも得るものがたくさんあった。
展示物の管理方法や、普段の仕事、月に1回行うイベント企画の打ち合わせ、個人個人の研究の報告など…
私が救われた空間にはたくさんの方が関わっていて、博物館に対する思いがずっと強くなった。
この1日をきっかけに私は学芸員になる!と決めた。
それから、時間があるときは学芸員のことを調べるようになった。
学芸員と言っても、博物館や美術館、水族館、イベントの展示をする際に派遣される、など色んな場所で活躍していた。
私は小さい頃からよく折り紙や切り絵をして遊んでいた。
それに文系科目しか出来ず、選択肢が美術館になった。
こんな単純な理由で、美術館の学芸員を目指した。
そして、3年生になり受験の年となった。
学芸員になるには国家試験を受けるか、国から認証されている大学で学芸員課程の単位を取ることになる。
私は文字だけで勉強するよりも、体験しながら学びたいと思い学芸員課程がある大学に入学しようと決めた。
幸い、その大学は付属高校があったので迷うことなく、その高校に受験した。
結果は無事に合格。
学芸員に一歩近づいた瞬間だった。
高校でも学芸員のことを調べたり、美術館や博物館、芸術祭などを3年間で行けるだけ行き、たくさんの経験をした。
あっという間に大学受験を迎えた。
面接と小論文が必要になり、色々な分野の先生に対策をしてもらった。
練習をしていく中で、美術館の学芸員よりも芸術祭に関係していることをやりたいと感じるようになった。
特に、地域と作家を繋げる人になりたいと思った。
合否発表は高校に郵送される方法だった。
少し心配だったが、無事合格することができた。
本当は本人が最初に見る決まりだったが、私の担任の先生は届いた瞬間に見たらしく、合格通知を見た瞬間に職員室で叫んだらしい。
(後日、同じ職員室にいた先生から「一気にあなたが合格したのがバレたよ」と言われ、少し呆れたのはここだけの話にしよう。)
大学に入学してからは、もちろん学芸員課程を取った。
まだ大学生活が始まったばかりなので、無事全ての単位を取れるかどうかは分からないが、精一杯頑張っていこうと思う。
学芸員になってから色んな知識を活かせると思い、地域と芸術を結びつける専攻がある彫刻コースに入学した。
やったこともない彫刻をやることになってしまった。
学芸員になることを優先した結果、彫刻が付いてきた。
私以外の12人は全員芸術経験者。
明らかに自分でも技術が無いのが分かるくらいにレベルの差がハッキリしている。
しかし教授はそれを関係なく、みんなと同様に指導をしてくれる。
現在も作家として活躍している教授たちなので、とても素晴らしい環境で製作をさせてもらっているのはとても有難いことだ。
だか、私なりに頑張っても褒められない。
直すところだけしか言われない。
みんなは褒められているのに。
これで、2回目の適応障害が現れてしまった。
自分は0からのスタートだから、褒められないのも当然と割り切ってしまえばいいのだか、それが出来ず…
学芸員になりたくて大学に入ったのに、
なんだかなぁ〜
の日々を生きている。
生きてしまっている。
今、ちょうど入試の季節だが、ちゃんと見極めてから大学を選んで欲しいと心から思う。
がんばれ。受験生。
今日も幸せな1日になりますように。