料理が苦痛だ!と思ったら、作るのやめてみよう
本屋で出会ったんですよ、ある本に。
タイトルは「料理が苦痛だ」
あああー!!!ご飯作りたくない〜〜!!
なんでわたしは日本にいるの?
タイでは家に台所ないらしいやん。
毎日外食(というか屋台食?)、めっちゃ楽やん!
なんでここはタイじゃないんだー!!ウォー!!!
と思いながら、立ち寄った本屋の料理コーナーで。(わたし、なぜそこへ)
目線の高さに表紙を見せて陳列してあったこちらとバッチリ目が合いました。
面陳列て…みんな、同じことおもてんねんな。
この本の著者はなんとカフェのオーナー!
カフェオーナーなのに、このタイトル!?と度肝を抜かれますが、この方、「料理の呪縛から解放される」ための見るだけお気軽料理教室を開催されているという、まさに料理苦痛界のジャンヌダルク!!(フォロミー!!)
読んでみたら、頷きすぎて首がもげそうになるくらい共感の嵐が吹き荒れました。
第2章は「料理にまつわる呪縛」について。
わかる、わかりすぎる…例えば「毎日違うものを食べる」という呪縛な…!
なんでなの…なんで毎日和洋中から変えていかなあかんの(作ってないけど)。
番外編の弁当の呪縛は爆笑でした。みんなの変な弁当エピソードが紹介されていて、子供の弁当箱いっぱいに今川焼を詰めた話には、最終的にはそれもアリだな…と心のメモ帳に書き留めました。
この本の最大の主張は、料理が苦痛なら、料理をやめてみよう、ということです。ご丁寧に料理をやめる3ステップ(準備、決断、実践)、さらにはやめたあと、料理を再開するまでのリカバリーレシピも載っています。
やめるのは1日2日ではなく、最低5日はやめましょう、とのこと。
最初に読んだ時、わかってるよ〜嫌ならやめればいいのは!やめるなんて簡単!すぐできますよ!と思ったんですが、実際はけっこう心理的なハードルがあるな…と読み進めるうちに思い知りました。
料理をしばらくやめるには、まず冷蔵庫の食材を使い切るところから始めなくては…とか、外食や惣菜を買うならお金がかかるな…とか。そうして苦痛ながらも料理を作り続けてしまうわたし…。
この苦しさはなんだろうな。
この休みなく走り続けている感じ。
料理は献立決めて買い物をして、作って盛り付けて皿を並べて片付けるまでのいくつもある工程を、子どもの相手をしながら、限られた時間の中で、段取りよく進めていかなくてはいけない一大事業。
もちろんうちでもたまには外食とか宅配ピザとかお弁当を買ってくることはあるんです。でもそれはほんとにその場凌ぎの一瞬の息継ぎでしかなく、また毎日の食事作りが続いていく。
1日3回、いや平日の1日2回でもほんとにツライ。
嫌ならやめればいいのに。
でもやめられないのはこの本に書いてあるように、「料理は作らなくちゃ」の呪縛にとらわれているから…
ところが先日、自分の誕生日がありまして。
近くの百貨店に惣菜を買いに行くことにしました。
ご馳走を食べたいけどコロナだし赤ちゃんもいるし、外食しづらいので、高いからほとんど買ったことのない百貨店のデパ地下惣菜で誕生日ディナー!(THE庶民!)
その時、この本の中にあった、料理をやめた後に研修と称して外食したり惣菜を買う、という提案を実践してみることにしました。
そしたらね、めちゃくちゃ楽しい!!!!
なんせただの買い出しじゃなくて、料理の研修なのです。自分の家でも作れるか、という目線で見ていくのです。これがわたしには新鮮で楽しかった!!
ふむふむ、こんな食材を取り合わせてこんな風に盛り付けるのね。このサラダにはナッツとか混ぜ込んじゃうのね。おいしそー!!
いろんな種類の、色とりどりの惣菜がずらーっと並んでいるのを見るだけでワクワク。自分では思いもつかないような取り合わせで作られた惣菜を、家でも作れるかも!みたいな気持ちで眺めるのは新鮮、かつ刺激的でした。
もちろん実際には作らない(というか作れない)んですが、このワクワクする気持ちで、自分の「料理が苦痛」の病因に気付きました。
わたし、自分の料理に飽きてるんだな。
ネタ切れなんだな、と。
だから百貨店で目新しいメニューに出会って、「あー、これ食べたい!」とワクワクする気持ちになると、もしかして家でも作れる?と料理に対して前向きな気持ちになれることがわかりました。
「料理が苦痛」に向き合うって、発見がある!!
今回は一回だけの惣菜研修で蘇ったわたしですが、今後「料理が苦痛」感に襲われた際には、この本の導きに従って料理を辞めてみる所存です。
この本のあとがきを読んで、ああ、苦しんでるのは自分だけじゃない、と励まされました。
毎日の料理が苦痛なあなたに、オススメです!