うつになる人、なりづらい人
久しぶりに勤務があって話した同僚の雰囲気が、以前と様変わりしていた。
元々、明るくて友達もたくさんいて、陽気な人だった。
なのに、会った時には既に、180度、雰囲気が反転していた。
「〇〇さん、最近どうですか〜?」
何気ない様子を装い、明るめのテンションで聞いてみる。
すると、その人の中で次々と溜まっていたものがでてきた。
「いつもわたしばかり責められる。」
「上の人はパートの人の言うことを優先させて、正社員の私は守ってもらえない、おかしい。」と。
その同僚は外国語訛りのある看護助手さんだ。
ときどき、話していることがネイティブな発音と混ざって聞き取りづらいことがある。
だからこそ伝わりづらいこともあるだろうし、伝わりづらいところの橋かけを手伝うのが、純日本人側の責任だと私は思っている。
それをわかっていながら、伝わりづらかったことで起きた溝を、日本人側が深め、その人を助けようとしなかったようだ。
それを繰り返されたその同僚は、側から見てもわかるほどの、いわゆるうつ状態になっていた。
「しんどい」「責められてばかり」「診断書を叩きつけたい」「辞めたい」
と、ネガティブな言葉に感情が引きずられているようだった。
もちろん、聴いている側もしんどい。だけれど、この人には「聴く」というケアが必要だと直感し、境界線を引きながら共感と傾聴を繰り返した。
相手の感情が、大きく揺れているのを感じた。
「聴く」ことで相手の感情が少し穏やかになったが、不安定さは変わらなかった。もう、帰って来ないかもしれない、と感じた。
次の勤務の時、もうその同僚は出勤していなかった。
以前は私もその同僚と同じように、つらくなったらどんと落ち込む体質だった。
だけど今は違うと感じている。その同僚のしんどい気持ちに共感しているようで、していなかった。そんなに自分を追い詰める必要はないのにって、もっと自分を大事にしてあげたらいいのにって、人のことで振り回されなくてもいいのにって、思っていた。
もちろんその言葉はその同僚にはかけていない。そんな言葉を受け取る余裕がないことくらい、気づいていた。
今回わたしがわかったのは、一度うつ傾向になっても、その体質は変えていくことができる、ということ。
思い込みを外し、楽しいことに触れ、ものごとを俯瞰的にみることで、少しは楽になる。
あなたにはどんな世界が見えているだろうか?その世界の思い込みはどんなものだろう?
その世界で住むのがしんどいと感じるのであれば、時々その世界の常識を外してみるのもいいのかもしれない。
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