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僕たちは木簡を読んでいる

 歴史雑記133
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はじめに

 少し前に、「木簡を読んでいると院を出ても就職できない」みたいなツイートがバズって、タイムラインが荒れたことがあった。
 そのときは端的に馬鹿馬鹿しいと思ったのだが、こういうのはなぜ馬鹿馬鹿しいのかをちゃんと説明しなければならない。
 よって、この記事を書くことにした次第である。

 いったい、広義の「木簡」の中身は色々である。
 素材も中国では竹が多い。「竹簡木牘」と言うが、竹の場合は細く、そして束ねられて竹書──竹の冊書、巻物状のもの。孔子が「韋編三絶」したのはコレ──の形が多い。
 牘というのは幅が広いものを言う。
 他にも、形状や用途によって觚(こ)とか検(けん)とか羯(けつ)とかいろんな名前があるが、ともあれ竹を含む木製の書写材料を「木簡」と考えておけばおおよそ問題ない。

伝世する場合もある

 さて、木簡というと多くの人が長屋王邸木簡のような、出土品としての木簡を想起するだろう。
 これは誤りではなく、たとえば中国においても『孫子』などが含まれる銀雀山漢簡をはじめ、基本的には木簡……というか古代の文字史料のほとんどは出土品である。

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