平林緑萌
編集者・平林緑萌の歴史に関する随筆集です。単体でもお買い上げいただけますが、継続購読の方がお得になっております。内容的には中国古代史や日本古代史および中世史、文化人類学などが中心になると思います。
2023年からぼちぼち書き始めた雑記のまとめです。無料ですが。投げ銭嬉しいです。
歴史雑記のなかから「張良雑考」だけを見つけやすくまとめたものです。
うつ病・睡眠障害当事者である僕の書いた関連記事をまとめたマガジンです。
右上腕骨嵌入骨折顛末記。
歴史雑記147 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに どうも2023年は日本古代史にとって記憶される年になりそうだ。 富雄丸山古墳に続き、こんどは桜井茶臼山古墳で、副葬されていた銅鏡の数が100面を超えることが判明したのである。 桜井茶臼山古墳での発見については、まず下記の記事をお読みいただきたい。 そのうえで、今回は記紀の保存した系譜について考えてみたい。 なぜ系譜の話になるのか どうして古墳の話から『古事記』や『日本書
歴史雑記174 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) ずいぶんと大きなテーマをぶちあげてしまったが、もちろんこの表題のようなことが私に書けようはずもなく、ゆえにごく一部だけを記す。 文字、そして文章を書くことは、こんにちではそう大したことではないと思われがちであるが、実はなかなか大したことである。 この文章を読んでいる皆さまも大いに誇ってよい。 歴史的にいって、文字とことばのどちらが先にあったかといえばもちろん後者である。 いまなお無文字
久しぶりに単なるお知らせ記事です。 版元ドットコムの「版元日誌」というコーナーに寄稿しました。 これまでやってきたこと、これからやっていくこと、現状認識などを雑駁に詰め込んだ文章ですが、よろしければご一読いただき、いいねしてシェアしてください。 よろしくお願いいたします。
歴史雑記173 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) ワープロ登場以前の作家たちの書いた自作解説、あるいは作家研究などを読むと、頻々と登場するのが手帳や日記、創作メモなどのたぐいである。 当時の作家たちは、いまと違って、その場、その日ごとに記録するための手段は、基本的に自分の手で記さねばならなかった。ゆえに、携行する手帳を紛失したり、戦災で日記を焼かれてしまうことは、実に大きな損失であった。 いまでいえば、クラウド上にあるものも含めて、データが
歴史雑記172 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) ついこの間読んだ本の解説に、「思想とは自分の感覚を他人に押し付けることである」という一説があった。 当否は別にして、うまく言うものだと感心したのだが、私の騎馬民族征服王朝説(長いので、以下「騎馬民族説」とする)にかんする感想もこれに近いものがある。 もとより、学説としてはとうに否定されている(というかそもそも成立していないという批判がありその通りである)のだが、提唱者の江上波夫がずっと曲げな
歴史雑記171 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) こんな記事が出ていた。 この記事じたいになにか含むところがあるわけではないのだが、出版に携わる人たちのなかでも、案外出版史に興味を持つひとは少なく、したがって現在のような大手取次を通した流通や、取引条件についてもどのように生まれていったのかはあまり知られていない。 今回はそのあたりについて少々書いてみよう。
歴史雑記170 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) 思うところあって、今月からは随筆ふうに記していこうと思う。 もとより、「雑記」であるからして読者諸賢は私を許すべきである。 さて、今日は「書店」がテーマである。 いったい、現代日本においてはもう四半世紀以上にわたって出版不況が叫ばれており、みんな喉を枯らしてガラガラになった声で「出版が危ない」「書店がなくなる」と言っている。 しかしながら、そういうふうに言っている人たちが、ひとり出版社
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あと2本準備をしていたものの、満足のいく形で公開できなかった。 来月はきちんと月の前半にも更新することを誓います。 (ヘッダは国栖や葛で有名な吉野の吉野川)
歴史雑記169 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに 奈良県の山下知事の発言が話題となった。 下記のリンク先等で詳細が読めるが、要するに「似たような民具がいっぱいあるから、整理して数を減らすべき」ということのようである。 県立民俗博物館 山下知事“保存資料の廃棄も検討” 今回は、なぜこれらを捨ててはいけないのか、「似たようなものがたくさんある」ことがどんなメリットを生むのか、という話をしていこうと思う。 なお、私は現代日本にお
歴史雑記168 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに このマガジンのネタは、普段からiPhoneのメモに書き留めていてる。 移動中や隙間時間に肉付けをして、最終的にPCで綺麗にしてアップ……ということが多い。 ただ、メモをしたときに考えていたことを忘れることもある。 今日はそういうネタなのだが、メモには「歴史と伝統は大切だけど、あなたは竪穴住居に住めんの?」とあった。 たぶんなにかに腹を立てていたのだと思うが、なにに腹を立ててい
歴史雑記167 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに 富士山で立て続けに事故があり、計四名が命を落とした。 まだ詳細はわからないが、これが山開き後であれば、助かった可能性は充分にある。 私の親類にも山男がいるが、日本アルプスで滑落した際、すぐ後ろに看護師さんを含むパーティがいたために命拾いをした。その幸いもシーズン中の登山であったためである。 今回は、そもそも山というのは通常の場所でなく、山開きにも特別の意味があることを改めて確認
歴史雑記166 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに 古文漢文不要論は、X(旧Twitter)に代表されるSNSでもときおり話題になる。 だいたいは、それなりの社会的地位にある人(政治家など)がそういうことを言い、半分くらいは炎上し、とはいえそこそこ賛同者も集まる……というような感じになることが多い。 意見のすれ違いというか、世界観の違いは容易に埋まるものではないので、「やっぱり、世の中には古文漢文が不要だと考える人もいるのだな……
歴史雑記165 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに 少々気が早いが、実はそうでもない『豊臣兄弟!』の話を書こうと思う。 もちろん、大河ドラマはフィクションとしてよい出来であるほうがよい。 しかしながら、私個人としても社会的にも、別に出来がよくなくても価値があるんではないか、というような話である。 秀長をいい感じに描けるのか?
ご存知の方はご存知の通り、書肆imasuという新レーベルを立ち上げた。 創刊ラインナップは十文字青さんの『私の猫』と、森見登美彦さんたちとつくった『城崎にて 四篇』の二点である。 * そもそも、お披露目となる文フリ東京38に間に合わせるためにめちゃくちゃタイトな進行になったあたりからもうまずかった。 無事校了はしたものの、事前搬入が間に合わないのでレンタカー搬入となり、夜なべしてサイン本作成をするもこちらも間に合わず、当日は開場前から列が形成されて外まで延びた。
世間は長期休暇らしい。 私は社会に出てから、まともに休める仕事についたことがないから、長期休暇というものの存在について、いまだ懐疑的である。 1週間や10日も休んでしまったら、もう2度と働く気にならないのではないかと思うのだが、「リフレッシュした〜!」みたいな感じで、イキイキと職場に戻っていったりするのだろうか。 いや本当に信じられない。職場というのは、基本的に「すぐにでも爆発四散して消滅してほしい」たぐいのものではないのか。 出社したら跡形もなくなっていたら最高な