メンタルヘルスケアと社会・職場
現代人のメンタルが弱くなったのか?
現代の環境がメンタルを弱くしたのか?
社会・職場でのメンタルヘルスケアの重要性は年々高まってきています。
これは、メンタルの問題、個人・社会の両面での損失が看過できないものとなってきているからです。
メンタルヘルスを脅かす「情報化社会」
インターネットやSNSなどで、現代人は絶えず膨大な情報の中で生活しています。
次から次へと目、耳に降り注ぐ情報の処理、
つまり、
要・不要から区別して、
カテゴライズし、
さらに重要度別にして、
デジタルかアナログに保存するか、
必要と思われるところへパスないし仮置きする。
たった一つの情報でも、
私たちの脳の中では一瞬にしてこれらのことを判断しないといけないのです。
脳にはとても大きな負担がかかっていると言えるでしょう。
特にプライベートなどで、SNSでは心無い投稿が寄せられるなど、メンタルヘルスを害する危険が少なくありません。
面と向かって話せばどうとないことでも、
受け手の状況によっては
ストレスとなる文章だったり、
言葉一つでも解釈の違いもありますし、
ちょっとしたタイプミスが、全く意図しない文脈を生み出すこともあります。
万が一、SNS上でトラブルに巻き込まれたときは、怒りを抑えて冷静に対処してください。
どう乗り越えるかや、
セキュリティを万全にするスキルが必須となりつつあります。
人との縁
Z世代以降にはあまり縁がない話かもしれませんが、以前は、地域で町内会、子供会に所属する、学校ではPTAに入る、職場では毎年のようにパワハラ、セクハラの温床のような「親睦旅行」がありと、良くも悪くも人との関わりが、今よりぐっと多かったのです。
今は、所属せずに済むものは選べるようになり、そういったつながりを持たなくても、
IT技術のおかげで必要な情報はこちらから取りにいけます。
しかし、それでいいのでしょうか?
「町内会や親睦旅行を復活しましょう!」という気はさらさらありませんが、
人間のつながりが希薄になったことで、
いざ繋がろうとした時に緊張、
つまり、ストレスが生じるのです。
また、人類は長い間、狩猟や農耕などで群れで生活してきました。
群れてないということが、本能的に生命の危機と捉え、孤独をストレスと捉えるのではないかと考えています。
「今はひとりでも孤独とは感じないし、それ以前に精神的に自立しているから問題ない」という主義の人もいます。
また、ストレスのせいで理性を失っているか、世の中の変化に対応しきれていないとしか思えないパワーハラスメントやセクシャルハラスメントといった「人間関係」もメンタルヘルスに影響を及ぼしています。
変化についてこれてない人を除外すると、
ストレスがストレスを伝播させている状況です。
社会、職場がメンタルヘルスを標榜しても、
会社の文化などや制度整備の遅れで、
社員のメンタルヘルスに対応できていないのが実情です。
産業医はいるものの、その方がメンタルヘルスについての知識が深ければいいのですが、
そうでない場合、ストレスを抱えたときに相談しても役不足で終わりかねません。
自由な気風の会社も存在しますが、
基本、日本の会社は縦社会です。
そうした文化の中では、上司・先輩から発せられた暴力ともいえる理不尽な言動に対して、反論や意見することは勇気がいることです。
このように、言いたいことも言えず、理不尽さを押し付けられたままだと、それはあなたにとってのストレスになり、あなたを憂鬱にします。
そして、ストレスフルな状況が続くとうつ病をはじめとする重大な精神疾患へとつながっていきます。
(この話題については前回触れましたので、前回の記事をご参照ください。また、ストレスは過労が原因のこともありますが、こちらは別の機会に詳しくお伝えいたします。)
自分のメンタルは自分で守る!
メンタルが強い人をよく見てみると共通する点があります。
①自己肯定感が高い
②プライベートな時間を楽しんでいる
③人からの頼まれごとを断れる
④自分の考え方に固執していない
⑤他人の意見を聞く余裕がある
⑥他人からの評価を気にしすぎない
裏返すと、
①自分を卑下しやすい
②疲れ果てて、プライベートを楽しめないほどワーカホーリックになっている、あるいは自分の存在意義が仕事だけになっている
③他人の嫌な感情に触れるのが嫌で自分の嫌な感情に蓋をして、自分軸で生きてない
④⑤「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
人間的にも素晴らしいリーダーの基本要素でもあります。ファーストクラスの乗客ほど慎ましやかで不遜な態度を取らないのは有名ですよね。
⑥自分の基準がブレていると、他者目線でしか自分を評価できなくなります。悪い評価を受け入れて改善するのはいいことですが、全てが外からの評価のいかんによって生きていくと自分の人生は生きられません。
おわりに
ストレスとは縁が切れないこのご時世の中で、逞しく生き抜いていくには、メンタルヘルスは欠かせません。
情報化社会の波に呑まれずに、お気に入りのボードや浮き輪で上手に乗り切って、自分のごきげんは自分でとっていきましょう!
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