頑張れ頑張れ
グラノーラと牛乳を冷蔵庫に用意して、朝起きたところで皿がないことに気づいた。この時この世界に生まれてきたことが間違いだったのだと確信した。
身体に無理をさせすぎた、なんていうと仕事をひたむきに頑張った人の言い分のようだが、その実自分が勝手に無茶をしたにすぎないのだ。と窘めれば、より一層身体が重くなる気がした。
単純に疲れることなどいくらでもあったし、それに喉や頭の痛みが併発することだって別になくはない。
ただ、昨日夜の8時に目が覚めた時に、久しぶりに自分が気絶したことに気がついた。きっと4時くらいのことだったろうか。このくらいで情けない、と自分に言い聞かせる。ここまできてもまだ危機感は薄い。
危機感の正体、この所身体が一切のアルコールを受けつけなくなった。すぐに酔ってしまうとかではなく、アルコールを入れた瞬間身体がすぐに吐きそうになり、途端に咳が止まらなくなる。それまでは、月金と週に2回の休肝日を設けることで律していたくらいなのに。
最早別人なのだ、最近の身体は。
テセウスの船の要領で、人間の細胞というのも絶えず入れ替わり、数日も経てば構成する細胞は全く違うらしい。その時に同一の人物なのかという話だが、この所の細胞は原型を暗記することすらサボり、オリジナリティを発揮しようと必死なのかもしれない。
細胞単位で逆張り出した。
ダサいなぁ。
性格にも変化を感じる。
極めて凡庸に、普通に、生を全うしようとしている。
ここまで著しく変化した自分は、次に会う誰かにとっては最早自分でないのかもしれない。
だとすれば、こうして文章を残すことは尚更意味があるのだろう。その時々で自分の遺す文学は、これまで以上に自分研究の役に立ちうるのだから。
鏡の中の瞳は赤く血走っていた。
さあ、今日はこの目で世界を楽しもう。
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