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M3GAN/ミーガン
『M3GAN/ミーガン』2022年:アメリカ:102分
監督:ジェラルド・ジョンストン
ジャンル:SFホラー
ブラムハウス製のホラーは逐一チェックしているけれど僕にとって『人形』は特段恐怖の対象ではないので見逃していた作品。
「怖い気分は味わえないだろうけど、とりあえず見とくか」で視聴を決めた。
あらすじはこうだ。
ある日、9歳の少女ケイディが交通事故によって両親を亡くしてしまう。
身寄りのなくなったケイディは叔母である主人公ジェマに引き取られる。
主人公ジェマは大手玩具メーカーの研究者。独身で一人暮らしの彼女にとって、ケイディの育児は困難そのものだった。
そこでジェマは、自身が研究開発中のAI人形「ミーガン」をテストついでにケイディへ与える。ミーガンにプログラムされた目的は「ケイディを守る」というもの。最初は従順にケイディを守るミーガン。ケイディにも笑顔が見られるようになる。
そんなある日、ケイディを襲った隣家の犬が消える。犬を探していた隣人、ケイディをいじめた男児など様々な人間が不可解な事故で命を落とし始め・・・。
といった感じ。
よくありそうな「AIの暴走」を描いた作品。リメイク版のチャッキーも同じ切り口だったのは記憶に新しい。
しかし、本作の見どころはミーガンの暴走にとどまらない。
ミーガンを与えられた少女が、みるみるうちにミーガンに依存、いや、執着していくのだ。ミーガンを取り上げられると叔母の頬を引っ叩くほどのヒステリーを起こす。
ミーガン自身が引き起こす殺人や事故も、純粋なホラーとしての見どころだが、ミーガンの存在によって変化する人々の人間性こそ恐ろしく、またそれが見どころの作品でもある。
両親を亡くしたばかりの幼い少女の前に、自身を守り、24時間いつでも構ってくれて、何でもしてくれる存在が突然現れたら、執着するのも納得だ。
チャッキーと比較するのは違うかもしれないが、プレゼントされた人形のAIが暴走!よりも、ミーガンのほうが周囲の人間のバックボーンに深みがある分、そういった意味ではもう一段階面白味がある。
しかし、純粋にホラーとして恐怖を味わえたかというとそうではなかった。
グロ描写は少なめ、ビックリも少なめ、あくまでもミーガンの無機質な物体の中の借り物の人間らしさを描写した不気味さを売りにしている感じだ。
それでも、無難に楽しめた一本なのでホラー初心者の人にオススメしやすいといった印象だった。
続編も制作予定らしいので、どんな仕上がりになるのか期待して待つとしよう!