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昨日観た映画No,33【ウィッチ】
【ウィッチ】2017年:アメリカ:92分
監督:ロバート・エガース
ジャンル:ホラー/ミステリー
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先日視聴した魔女・民間伝承系ホラー【イビルアイ】が個人的に消化不良な作品に感じたため、良質な魔女系ホラーを見たい!と思って視聴を決めた。
数年前に視聴済みだが、何よりアニャ・テイラー=ジョイが好きなので何度でも視聴できる。
件の【イビルアイ】のレビューはこちら↓↓↓
あらすじ
1630年、ニューイングランド。父ウィリアム(ラルフ・アイネソン)と母キャサリン(ケイト・ディッキー)は、5人の子供たちと共に敬虔なキリスト教生活をおくる為、森の近くの荒れ地にやって来た。しかし、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明に。連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か。悲しみに沈む家族だったが、父ウィリアムは、美しい愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が魔女ではないかと疑いはじめる。疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく・・・。
本作の感想
何度見ても良作!!!
日本人のホラー好きの多くは悪魔・魔女モノにあまり怖さを感じない人が多いと思うが、本作は魔女モノではあるものの楽しめる作品だ。
まず、本作に魔女はほとんど登場しない。
本作の恐怖の根幹としてあるのは「人間」だ。
よく、「幽霊や悪魔よりも生きている人間が一番怖い。」と聞くことがある。
僕としては、ひとつのものの見かたとして間違いないと思う。
最も身近で、最も予測不能で、最も残酷になれるのは生きている人間だと考えているからだ。
もちろん、人によっては生きている人間より幽霊が怖い人、宇宙人や虫が怖い人など様々なのは理解している。
あくまでも、ひとつの見かたとして、だ。
本作では、ある一家の幼い赤子が突然行方不明になったことをきっかけに、同じ家族である娘である主人公が家族から「この娘が魔女で、赤子を連れ去ったのでは?」と疑いをかけられる。
疑心暗鬼に陥った家族が、狂気に走り崩壊していく様子を描いている。
要所要所で魔女伝説の話が出てきたり、不可解な現象が起きるものの恐怖の対象として描かれるのは大半が「疑心暗鬼に陥った家族」だ。
登場人物は少なめで、世界も広がりを見せることはない。作品内の退廃的なロケーションも相まって、映画の世界観に没入しやすい作品だ。
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主人公トマシンを演じるアニャ・テイラー=ジョイの存在感がとにかく強いのも魅力だが、意外とそれ以外の演者の演技も良い。
特に子役の演技は素晴らしいといえる。
全体的に不気味で退廃的な雰囲気だが、後半にかけてどんどん盛り上がっていく。尺も92分と短めで、飽きることなく最後まで視聴できる作品だと感じた。
魔女モノ感は薄めと感じる人もいるかもしれないが、心理ホラーとしても楽しめる良作だ。