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クワイエット・プレイス/DAY1


『クワイエット・プレイス/DAY1』2024年:アメリカ:100分
監督:マイケル・サルノスキ
ジャンル:ホラー

「モンスターパニック系が見たい!」という謎のテンションになり二度目の視聴。配信が開始された頃にU-NEXTで視聴したが、出来の良いモンパニ映画が見たかったのでこの一本に決定。

あらすじ

ある家族を襲った衝撃(1作目)から471日前の物語。
音を立てるものに襲い掛かる謎のクリーチャーが突如として大都市ニューヨークに飛来する。
そこに偶然居合わせたのは末期がんを患い余命いくばくもない主人公の女性サミラ(ルピタ・ニョンゴ)とその飼い猫フロド。
彼女はその日、ハーレムにピザを食べに行くのが目的だった。
やがて、群衆は軍の用意した脱出船に向かい始めるが、その群衆とは逆方向に向かい進み始める主人公。
この絶望の中、彼女が求めるものとは?

という感じ。
1作目の「クワイエット・プレイス」のヒットをきっかけに「~したら即死」系の映画が量産されたのは記憶に新しい。
本作はクワイエット・プレイスの続編というか前日譚にあたる本作。タイトルからもわかるように「音に反応して襲い掛かるクリーチャー」が地球に飛来した初日を描いているため、音を出してはいけないというルールを世界中の誰も知らないので人々は阿鼻叫喚の大パニックで逃げまどいながら襲われまくるのは、視聴者としてはもどかしいばかりだ。
1作目では手話を利用してのコミュニケーションや、地下での生活などクリーチャーに襲われないための工夫を凝らしていたが、本作ではそんな知恵も人々にはまだない。
そんななか、怪物の襲撃を華麗にかわすのが主人公の飼い猫フロドだ。
流石の猫。移動も静かで身のこなしが華麗なので、見事にピンチを切り抜けるさまは「可愛い」を通り越して美しくもある。

さて、本作は賛否あるものの、僕はとっても好きだ。
そもそも「クワイエット・プレイスシリーズ」は音を出したら襲われるという世界で「どう生き抜くか?」というのが根幹にある。どう工夫を凝らし家族や自身を守り、どうやってサバイバルするか?というもののはずだ。

しかし、本作ではその根幹そのものから違うのが新鮮だ。
主人公はホスピスで暮らす余命僅かな末期がん患者だ。こう言ってしまうのは気が引けるが、主人公は、怪物に襲われなくても近々死んでしまう。
そこで主人公は、「どう生き抜くか?」ではなく「どう死ぬか?」をテーマに行動するのだ。
だから、怪物が闊歩するNYでピザ屋を目指したり、思い出の詰まったかつての自宅に向かおうとする。
自宅に頑強な地下シェルターがある!とかそういうことではない。
ただただ、彼女はどう死ぬかを真剣に考え行動するキャラクターなのだ。
そこが彼女のキャラクターとしての魅力が最大限詰まっていると思う。

これまでのモンスターパニックとは一味違う、新鮮なキャラクターとその生き様、死に様を見てみたい方は是非視聴してみてほしい。


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