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過去に詠んだ歌

2016/07/13 21:31
賞味期限たしかめながら描いてる未来の日付を生きている我

2016/07/14 04:41
新聞が配達された音がしてもう少しだけ微睡んでいよう

2016/07/14 08:04
亡くなりし父の星座の運勢を心の内で報告してる

2016/07/15 08:19
ソーセージ、灼熱地獄の刑に処す 台所に立つ閻魔大王

2016/07/15 10:47
花の蜜たくさん集めていきたまえ我が家の庭は大盤振る舞い

2016/07/16 10:20
日焼けから背中を守る使命帯び未来屋書店のカバーが並ぶ

2016/07/17 20:48
ぱくぱくと口を動かす金魚みたい三十一文字を詠めない吾は

2016/07/18 10:20
新しい靴に添わない土踏まず付き合い始めて二日目の朝

2016/07/18 10:21
目薬の蓋が何処かに転がって金色のそれがとても恋しい

2016/07/18 15:40
宇治抹茶練乳入りのかき氷甘いところは最後に食べる

2016/07/21 08:29 頭にはパンヤがぎうっと詰まってる眠いよ眠いまぶたも重い

2016/07/27 19:31
木の枝に隠れて見えない信号を青と信じてアクセルを踏む

2016/07/28 17:47
自動ドア開けばぶわり夏の壁冷気をまとい突き抜けてゆく

2016/07/29 08:42
細胞の共同体である我に丸投げされた意思決定権

2016/07/30 05:53
かしましく鳴く鳥たちは早起きで姿は見えぬ梅雨明けの空

2016/07/30 06:12
望むように動かぬ体をあきらめて心ばかりが飛び立ちたがる

2016/07/30 06:16
腹にだけ薄手のタオルケット巻く夜の静寂に流されぬよう

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