本を読んだり、短歌を詠んだり。 そんな日々の備忘録になればいいかと。

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最近の記事

過去に詠んだ歌

2016/11/11 08:45 熟すまでオブジェのように鎮座するラ・フランスから漂う威厳 2016/11/11 18:29 信号を右折出来ずに見送った時間は冬の空気に冷えて 2016/11/12 12:36 気掛かりなこと一つずつ消していく記憶をなくすよりも早くに 2016/11/14 18:47 高カロリーだけど美味しい豚バラを甘辛く煮て丼にする 2016/11/16 08:49 冷たいと痛いは似てる感覚で切った小指を交互に襲う 2016/11/

    • 過去に詠んだ歌

      2016/11/01 05:40 ここはどこ、私は何処へ行けばいい電柱にある番地見つめて 2016/11/02 07:39 寝坊した太陽昇る冬の朝つられてしまった僕のため息 2016/11/02 07:52 セーターが僕の体を守ってる冬の空気が肺に満タン 2016/11/02 09:09 落ち葉すら渇いた音を立てている踏みしだくたび握る拳は                                                2016/11/04

      • 過去に詠んだ歌

        2016/10/26 20:54 一つ目の髷を落とした侍がじっと見ている 幻かしら 2016/10/27 07:59 飛び散った毛が金色に透けているテレビ画面の向こうのにゃんこ 2016/10/27 08:20 美しい布に鋏を入れるとき震えが体に伝わってくる 2016/10/28 07:54 子守唄うたいワカメが揺れている瞼の裏で湯に浸かりつつ 2016/10/29 09:55 枯れ葉舞い、鼻をうずめるセーターはウール100%の匂いや 2016/10/29

        • 舞台 中村仲蔵 観劇記録(3/17昼公演)

          役者が役者を演じることで、共鳴し合う部分が増幅されるのでしょうか。 役が役者に、役者が役に、お互いを一番に理解しているのが伝わってきたし、台詞がぶつかってくるような感覚を肌で感じて、圧倒された。 歌舞伎には詳しくないし、観る前は自分に理解できるのか、この舞台を楽しめるのか不安だったのに…あっという間に惹き込まれてしまった。杞憂だった。びっくりした。 一幕の終わり、自殺未遂まで追い詰められた中村仲蔵が、自分の中にある役者の性を自覚し、演じることの面白さからは逃れられないと

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        • 過去に詠んだ歌
          23本
        • 観劇記録
          3本
        • 読書記録
          5本

        記事

          オデッサ 観劇記録 (2/24昼公演)

          「通訳」というテーマを使ってこんなに面白い脚本、舞台を書き上げられるんだ〜!演出も出来るんだ〜!凄っ!! コメディとうたわれてるけれど「ほんとに笑えるのかな?」そんな風に疑っていたけど、初っ端の上演前挨拶から笑わせられて、台詞の間も、テンポも良くて「コメディというのは嘘じゃなかった…」って感心させられたの、初めてかもしれない。 さすがは三谷幸喜。 登場人物は英語しか話せない人、日本語(鹿児島弁)しか話せない人、そして通訳できる人の三人のみ。 英語の台詞が背景に訳されて

          オデッサ 観劇記録 (2/24昼公演)

          今日買ってきた歌集

          某書店にて、背表紙のタイトルを次々目で追ってたら飛び込んできた「日本狼アレルギー」なる言葉。 そんなアレルギー、果たしてあるのかしら? 抜き出して帯に紹介されている歌を読んでみた。 うーん…自分にはない視点を感じる! 世界を自分とは違う目で眺められそう。 よし、採用!とばかりにレジへGO。

          今日買ってきた歌集

          病院をハシゴしている休日の太陽光がやけにまぶしい

          病院をハシゴしている休日の太陽光がやけにまぶしい

          過去に詠んだ歌

          2016/10/18 22:14 皺なんてひとつもないと豪語するあなたの脳を眺めてみたい 2016/10/19 04:59 起床まであと一時間あるけれど狸寝入りで息をひそめる 2016/10/19 23:15 カサカサと枯れ葉のような音がして敏感肌にすり込むクリーム 2016/10/21 08:11 球根を買い求めてる人がいてまとう気配が春の光だ 2016/10/21 11:19 風の音しかしない贅沢を見守るように空澄み渡る 2016/10/21

          過去に詠んだ歌

          過去に詠んだ歌

          2016/10/01 21:08 昼寝して目覚めたときは百年も経っていましたそんな夕焼け 2016/10/10 21:36 柿の実が灯りはじめた夕暮れに啜りたくなる熱い焙じ茶 2016/10/14 08:55 アイロンをかけた衣類に手を置いて冷えてゆくまで見送る時間 2016/10/15 12:00 かき集め可燃の塵にしてしまえ我の悩みが落ち葉であれば 2016/10/15 12:06 キレ味の悪い包丁押し切りにされた葱から悲鳴が聞こえ 2016/10/1

          過去に詠んだ歌

          『千兎』買いました。

          年末、買い納めの本となるのでしょうか。 画集です。 兎がたくさん描かれてるのが気になって、買いました。 たくさん兎が描かれているだけじゃなく、郷土のお祭りだったり、伝承だったりを丹念に調べながら描かれていると知り、一枚一枚のページをゆっくり眺めました。 展覧会があるならば、実物の絵を眺めてみたいなあ〜と思いました。 大きな絵を隅々まで眺めたら、得るものも大きそうです。

          『千兎』買いました。

          赤と黒 観劇記録(12/13昼公演)

          曲がいい。 一幕最後の「赤と黒」など、YouTubeのゲネプロ映像でも聴けますが、登場人物達の心情をクローズアップする楽曲はどれも印象に残るし、CASTさんたちの歌唱力はどなたも、皆さん信頼出来る。 終演後も頭の中で繰り返し印象的なフレーズが流れるのだから間違いない。 演出もいい。 楽曲を際立たせる演出、アンサンブルの底力、レベルの高さといい、光と影の操り方といいこれぞ生で舞台を観る喜び。 冒頭のシーンなど席が舞台に大変近かったこともあり群舞に圧倒されるところから始まった。

          赤と黒 観劇記録(12/13昼公演)

          過去に詠んだ歌

          2016/09/15 20:33 もう二度と体起こせぬ重力がかかり始める夕方六時 2016/09/21 08:09 テフロンが傷んでしまう空焚きでいつにもましてぼうっとする朝 2016/09/21 08:14 もの思う沁みいるような秋の空息苦しいのは鉄分不足 2016/09/25 08:00 安くてもコーヒー豆に違いなくいつもどおりにカフェオレ淹れる 2016/09/29 07:17 眠いのに体にしがみついている意識の指を引き剥がす術 2016/0

          過去に詠んだ歌

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          2016/08/27 23:33 虫の音がひととき未来を遠ざけて守ってくれる一夜の眠り 2016/09/02 09:02 筋張った手の甲に風、あててみる ほんの少しの気流の乱れ 2016/09/08 21:00 踏切を越えたらそこは君の街空気がふいに軽やかになる 2016/09/08 21:05 歯を磨きながらもじっと目を閉じる聞こえてくるのは潮騒の音 2016/09/09 19:10 サイレント映画を眺めているような無我の境地のご飯の支度 2016/09

          過去に詠んだ歌

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          2016/08/19 08:29 横たわる耳に鴉の鳴き声が、疲れた疲れたゆって聞こえる 2016/08/20 22:44 惜しむでもなく過ぎるのを待っている空っぽのまま聞く蝉時雨 2016/08/22 22:42 壁に額つけたまんまで横歩き僕の話を聞いて下さい 2016/08/24 08:26 あさがおの濃い紫が美しい摘めば葡萄の香り掠める 2016/08/24 19:19 コーン缶底の二粒取れなくてああこれもまた希望のかたち 2016/08/27

          過去に詠んだ歌

          最近買った本

          最近買った歌集や句集を4冊ほど紹介します。 書店でパラパラ、言葉の運びや選び方など、自分の好みと合いそうな歌があるか眺めて選びました。 歌集の類はそもそも身近な書店には置かれないし、平積みなんてないから書店での出会いは一期一会みたいな気合いが入ります。 ここで買わなかったら二度とお目にかかれないかもしれない…でも予算はなかなか厳しいから吟味しないといけない…そういう葛藤を抱えて選んでいます。 1冊をがっちり通しで読むというよりは、あちこちかいつまむ様に読むことが多いかもしれな

          最近買った本

          『鈍色幻視行』恩田陸 著 読了

          これは恩田陸版『海に住む少女』なのかなと思った。 読み終えるまで二週間以上、長い長い時間をかけて読み終えた。最後の一行はほんとに長い航海を終えたあとのように、読後の余韻をもっと味わいたいのに、あっという間に現実に引き戻されていく感じが物語とシンクロしていたと思う。 飯合梓という作家について、彼女の小説について、その映像化にまつわる事件について、様々に思い入れのある人が語り合う。海の上だけで成り立つ幻のように、語る人の数だけ、その人だけの真実が浮かび上がってくる。 「映画や小

          『鈍色幻視行』恩田陸 著 読了