予震予測

走馬灯

人がピンチに陥ると、脳はそこから逃れるため、あらゆる方法を猛スピードで模索する。脳の働きが倍になれば相対的に周りのスピードは半分になる。スローモーションで見えるのはそのためだ。目で見る相対性理論。例えば崖から落ちる時、助けるものは何もなく、ニュートンの万有引力のみが支配する世界。万策尽きて諦めた瞬間、走馬灯が回りだす。くるくる回るなんてとろくさいことをしていては地面に激突してしまうので、一生をマルチ画面に分割し、いっぺんに見せてくれる。なおかつすべてを理解する。脳はそれぐらいのことはやる。高速道路で理由のわからない渋滞。トロトロでも動いてくれたらいいのにピタッと止まって動かない。やることはいっぱいあるのに。抑えていた無意識が噴き出し、プチ走馬燈が回りだす。そのどれに焦点を当てるべきか判らず、パニックに陥る。パニックになっているのは私ではない。脳だ。


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