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アイ・ウェイウェイと65万個のレゴ
モネの睡蓮を65万個のレゴで描いた、15メートルの作品。暗いドアのように見えるのは、1960年代に強制移住させられた現代美術家、アイ・ウェイウェイと父親が住んでいた穴倉だという。レゴは、モネの筆と対照的な、大量生産の象徴である。彼の作品の多くは、とても美しく遊び心もある一方、意味深い。
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大理石で作られた、巨大トイレットペーパー。ウェイウェイが育った頃の中国では贅沢品だったらしいが、現在は使い捨て文化の象徴である。英国では、コロナ禍で先ず最も品薄になった日常品だ。他にも、ガラスのハンガーや大理石のテイクアウトボックスなど、日常品を見直すきっかけを与えている。20世紀初頭、便器など既製品をオブジェにして、観念的な芸術の先駆けとなった現代美術の巨匠、マルセル・デュシャンに影響を受けている。
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展示会は、他にも美しく、愛に満ちていて、考えさせられるアートが盛り沢山だった。壁には、救命胴衣で作られた巨大な蛇。難民などに対する人類の責任を問い続ける。「私達はひとつの人類だ。誰かの傷は皆の傷であり、誰かの喜びは皆の喜びである」とウェイウェイは言う。
✳︎デザインミュージアム(ロンドン)の美術展パンフレットを参照しました。最後の引用のみ、以下の本からです:Ai Weiwei, Humanity, Edited by L Warsh, Princeton University Press, 2018