カップルカウンセリングのススメ
何年か前、ロンドンでカップルカウンセリングに行った。産後鬱、夫婦の不和、その他いろいろ重なり、心身ボロボロ。医者に相談すると、次のアポは夫も同伴するように、と強く言われる。そのお医者さんは、彼に、貴方が直ぐにカップルカウンセラーを探すように、と説得してくれた。それはとても大事なことだと。
初のカウンセリング。優しくて上品な初老の先生。私は止められない涙に邪魔されながらも、夫婦お互いの文句を言いあい合戦。どちらも、相手の話をきちんと聞いていない、もっと聞きましょう、と指摘される。この、悪口が正当化された空間って素晴らしい。すっきりして、礼儀正しく「有難うございました」とクリニックを出ると、自然に手を繋ぎ、朝食でも食べて帰ろうかぁ、と一緒に近くのカフェに寄る。また直ぐに怒鳴り合いの喧嘩をしたりするのだが、また同じようにカウンセリングに行く。オープンに何でも言える空間の有り難さ。例えば、私が泣くだけで、彼は自分の守りに入って逆ギレする、ということが減ったのは、理解が深まったお陰だ。以来、複数の友人に勧めている。カップルカウンセリング、もっと普及して欲しい。個人カウンセリングも。
当然、精神の安定が一番だが、カウンセリングが普及して欲しい、と書いたのは、身体の病気が無くならないように、心の病も無くなることは期待できないからである。病んでなくたって、健康診断のようにカウンセラーに行っても良いと思う位だ。以前、心理学の教師が、カウンセラー達もカウンセラーにつく、と言っていた。
周りには、独身の友人、働くママ、専業主婦。出身地も、欧米、中東、アジア、アフリカと色々である。が、そういった背景に関わらず、精神状態がギリギリの人の多いこと。みんな、それぞれに頑張っている。カウンセリングに行った話をすれば、自分も、とよく言われる。イギリスでは、無料でカウンセリングを受けられるのも理由だろう。
助けを求めること、そして困っている人を助けることは大事だと思う。
明日は結婚記念日だ。
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