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常波 静(とこなみ しずか)
2023年6月15日 21:43
この作品は、以下のお題『時計』に合わせて書いた短編小説です。この作品を配信等で使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。 時計が壊れた。 幾年もの歳月をともにした時計だったから、寿命だったのだろう。 今の時代、体内時計が壊れることなんて電球が切れるくらいにありふれたことだ。人は誰しも体内に時計を内包している。そのような時代では。 とにかく時計屋に行かなければ。すぐに検索
2023年5月4日 12:51
この作品は、短編小説です。本作品を使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。 初恋は、サービスエリアで働くお姉さんだった。 まだ小学生だった僕は家族で旅行へ出かけた道中で、とあるサービスエリアに立ち寄った。妹がトイレへ行きたいと騒ぎ始めたのだ。 妹がお母さんとトイレに並んでいる間に、お父さんは「ソフトクリームでも食べるか」とこっそり言ってくれたので、僕はもちろん賛成した。
2023年5月4日 12:28
この作品は、思い入れのある自作品や、関わりのあった方々の要素を入れこんだ詩です。この作品を使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。その世界は、無機質なはずだった。無機質な世界から聞こえてきたのは、味のある声だった。ハロー、CQ。ハロー、CQ。誰かいませんか。誰かいませんか。記憶の中の声たちは、誰かを待ち望んでいた。囚われの白雪姫のように待っていた。星空を眺める王女
2023年5月4日 12:19
この作品は、与えられてたテーマに沿って書いた超短編集です。読み物として、朗読用として、ご自由にお使いください。使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。【時間】時間がすべてを解決してくれると言うけれど。それは嘘だと知っている。この苦痛、この焦燥、この後悔、この憎悪。ぜんぶ心の奥底に焦げ付いて痕が残ってる。このコゲアトは消えやしない。もしもそれが消えたなら。なにも跡がないの
2023年5月3日 19:05
この作品は、声劇用に執筆した台本です。本作を使用する場合は、必ず以下の利用規約をご覧ください。彼女は、兎が嫌いと言った。これは、嫌われ者のお話。【上演時間】約10分【配役】・彼女(♀)……話をする人。 ※性別変更不可(演者の性別不問)・私(♂)……話を聞く人。 ※性別変更不可(演者の性別不問)彼女:「ねえ、あなたは兎って好き?」私:何気ない質問だった。月を見上げ
2023年5月3日 18:53
この作品は、声劇用の台本です。本作品を使用する場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。「SNSが発展すると、寺の参拝者が減る」これは、そんな論理を展開するお話。【上演時間】約5分【配役】・A(♂)……論理を語る人。 ※性別変更可・B(♂)……論理を聞く人。 ※性別変更可A:「SNSが発展すると、寺の参拝者が減る」B:「急に何を言い出すんですか」B: 客がいな
2023年5月3日 18:40
この作品は、声劇用に執筆したものです。本作品を使用する場合は、以下の利用規約をご覧ください。名前には運命を変える大きな力がある。これは、名前を変えた男の話。【上演時間】約5分【配役】・名無し(♂)……名前を変えてあげる仕事をしている男。 ※性別変更可 ※人称、口調変更可名無し:「おや、こんばんは。」名無し:「ここはどこかって? どこだっていいじゃないですか。」名無し
2023年5月3日 18:29
この作品は、声劇用に執筆した作品です。本作品を使用する場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。ある男のもとへ訪れると、紅茶を淹れて、男はこう聞いた。「お砂糖いくつ?」【上演時間】約5分【配役】私(♂)……紅茶を提供する人。 ※性別変更可(変更する場合、適宜内容を調整してください)私:やあ。いらっしゃい。私:何にもない狭い部屋だけど、遠慮せずあがっておくれよ。大したも
2023年5月3日 18:15
この作品は、声劇用に執筆した作品です。本作品を使用する場合、以下の利用規約を必ずご覧ください。「ぎゃふん」という言葉は、いつ、だれが作り出したのか。もしかしたら、こんな物語があるのかもしれません。【上演時間】約10分【配役】・先生(♂)……作家。作品の売れ行きが伸び悩んでいる。 ※性別変更可 ※人称、口調変更可・編集(♀)……編集者。明るくのんびりしている。
2023年5月3日 18:03
この作品は、朗読用作品として執筆したものです。使用する場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。これは、頑張っている人へ向けて贈る言葉。【上演時間】約10分【配役】・私……語り手 ※性別不問 ※人称、口調変更可私:はじめて会った日のこと、覚えてる?私はちゃんと覚えてるよ。私:私と君が出会ったのは、私が共通の知り合いと一緒にいたときだった。そこへたまたまやって来た君と会っ
2024年1月2日 10:15
この作品は、短編小説です。本作品を使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。 ミクちゃんは、いつも楽しそうにニコニコとわらっている、かわいらしい女の子でした。ある日、ミクちゃんはお母さんがカレンダーに赤いマルのしるしをつけているところを見ました。「お母さん、何で赤いマルをつけるの?」「これはね、とくべつなことがある日に、その日にちの数字に赤いドレスを着せてあげているのよ。そう
2023年9月2日 21:51
この作品は、短編小説です。本作品を使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。 裏庭には、死体が埋まっている。 言っておくが、私は別に罪を犯したわけではない。死体は死体でも、人の死体ではない。金魚の死体だ。 小学生の頃。私は毎年夏になると家族で近所の祭りへ出かけていった。夏祭りの匂いも音も光も好きだった。焼きそばのソースの匂いがして、ヨーヨーを弾くゴムの音がして、腕輪型のおもち
2023年8月23日 00:10
この作品は短編小説です。本作品を朗読等で使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。「レスカください」「え?」 暑いからと入った喫茶店で、お父さんが当たり前のようにそう注文した。それが、僕ががレスカというものを初めて知った日だった。「お父さん、レスカってなに?」「なんだお前、知らないのか。レスカっていうのは、レモンスカッシュのことだ。すっぱくてしゅわしゅわしてて、おいしいぞー
2023年5月4日 12:57
この作品は短編小説です。本作品を使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。 二度あることは三度ある。三度目の正直。仏の顔も三度まで。 三度というのは重要な数字なのかもしれない。一度でも二度でも、四度や五度でもない。三度が大事なのだ。「珈琲、飲むか?」 社内の自販機の前で俺がそう聞いたとき、後輩は言った。「すみません。珈琲、苦手なんですよ。」「なんだ、珈琲も飲めないのか。